香川県議会 > 2022-06-02 >
令和4年6月定例会(第2日) 本文

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  1. 香川県議会 2022-06-02
    令和4年6月定例会(第2日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    高  城  宗  幸 君    新  田  耕  造 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    西  川  昭  吾 君    十  河     直 君    松  原  哲  也 君    広  瀬  良  隆 君    石  川     豊 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君
      欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    浜  田  恵  造 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    田  中  一  裕 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     三  好  謙  一 君           商工労働部長     寺  嶋  賢  治 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    安  西     愼 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           子ども政策推進局長  井  元  多  恵 君           会計管理者      小  川  秀  樹 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君           警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    平  尾  敏  彦 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第二号)                 令和四年六月二十一日(火)午前十時開議 第  一 議案第一号から議案第十三号までに関する質疑 第  二 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、議案第九号及び第十号に係る地方公務員法第五条第二項の規定に基づく人   事委員会の意見は、配付のとおりであります。 一、陳情一件を受理いたしました。 ◯議長(高城宗幸君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)日程第一、議案第一号から議案第十三号までを議題とし、ただいまから議案に関する質疑並びに日程第二、県の一般事務に関する質問を併せて代表により行います。  自由民主党香川県政会代表松原哲也君。    (松原哲也君登壇、拍手) ◯松原哲也君 私は、ただいまから自由民主党香川県政会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問をいたします。  質問に先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。  先月九日に、我が会派の綾田福雄先生が御逝去されました。先生は、十期三十八年にわたり県政の発展に尽くしてこられました。先生の御功績は多岐にわたり、枚挙にいとまがございませんが、常に郷土香川の将来のために人生をささげてこられた立派な先輩議員を持ったことを誇りに思います。先生の御遺志を引き継ぎ、誰もが心豊かに暮らせる郷土香川の発展・振興に全力を傾けることをお誓いし、ここに謹んで綾田福雄先生の在りし日をしのび、衷心より御冥福をお祈り申し上げます。  さて、浜田知事は、先般の二月議会で今期限りでの御勇退を表明されました。そこで、今定例会が最後になります知事の三期十二年を簡単に振り返ってみたいと思います。  知事は、去る平成二十二年八月、初当選されました。それ以来、東日本大震災の経験を踏まえた防災・減災の推進、全国に先駆けて各水道事業を統合した県広域水道企業団の発足、椛川ダムの建設や空港連絡道路などの社会資本の整備、新型コロナウイルス感染症の検査体制や医療提供体制の確保、かがわ医療情報ネットワークK─MIX Rの推進、かがわ縁結び支援センター「EN─MUSUかがわ」の充実、「うどん県。それだけじゃない香川県」をアピールし、交流人口の拡大、農畜水産物などの県産品の振興など、数々の功績を残されました。また、新県立体育館の整備では議論を闘わせたこともありましたが、総じて県勢の発展に尽くし、知事の職責を十分に果たされたと思います。  くしくも私が県議会議員として初当選させていただいたのが、浜田知事の初当選の年の平成二十二年であります。畏れ多いことではありますが、私と浜田知事は言わば同期と思い、お慕い申し上げています。そして、今日まで、立場は違えど、共に県勢発展のため努めてまいりました。知事とともに車の両輪のごとく歩んできた十二年間の歳月が、浜田と松原の二本の深く力強いわだちとなって、郷土香川の発展への刻みとなれば幸いです。  着々寸進、洋々万里。郷土が誇る大先輩、大平正芳元総理が好んで揮毫された言葉であり、浜田知事もよく口にされる好きな言葉と伺っています。着実に一歩一歩事をなせば万里の海のかなたにも到達できるとの意味を持つようですが、まさにこの言葉を私も胸に刻み、浜田イズムの継承者を自負する一人として引き続き精進してまいる決意でございます。  このたび御縁をいただき、浜田知事の最後となる定例会で代表質問させていただくことに大変感慨深いものがありますが、どうか残された任期いっぱい、県勢の発展のためにより一層御奮闘賜りますようよろしくお願い申し上げます。  それでは、コロナ禍から一日も早く脱却し、社会経済活動が再び回転し、県民誰もが幸せに暮らしていけるような新たなステージに向けてのアプローチとなるよう前向きな答弁を御期待しまして、質問に入らせていただきます。  質問の第一点は、県政運営の総括についてであります。  知事は、平成二十二年九月の就任当初から、高齢化の進行、少子化、人口減少、医療や介護の需要の増加、地域力の低下、地球温暖化をはじめとする環境問題、リーマン・ショックに端を発した平成二十年秋以降の世界的な景気後退に伴う経済・雇用環境の悪化、安全・安心対策の見直し、安定した水資源の確保など、人口増や経済成長を前提としてきたこれまでの考え方では対応できない様々な課題に直面されました。  本県が大きな岐路に立たされる中、知事は将来の発展に向けての一歩を踏み出すべく、自らが先頭に立ち、せとうち田園都市の創造に向けて、雇用機会やにぎわいなど都市の長所や田園の長所とされてきた地域の結びつき、人と人とのつながりを強化することに重きを置きつつ、世界の宝石とも称される瀬戸内海などの地域資源を生かした魅力あるせとうち香川の生活圏域づくりを進めてこられました。  先頭に立つと言えば、私が特に評価したいのは、知事自らが国内外各地へトップセールスに出向かれたことであります。本県が全国に誇る農水産物や伝統的工芸品などの優れた県産品は、多品目・高品質な商品特性を有しているものの、全国での認知度はまだまだ低かったことから、これらを積極的にPRし、ブランド力の強化や販路拡大を図ってこられました。  また、四国における拠点性の確立と交流人口の拡大を図るため、高松空港発着海外航空路線の開設や四国の新幹線の早期実現に向けて、各方面への要望や交渉に当たられました。  一方、県の財政については、いわゆる三位一体改革の影響で削減されていた地方交付税等が知事の就任時点でも復元には至っておらず、さらには少子高齢化の進行に伴う社会保障費の増額などが見込まれたため、極めて厳しい状況にありました。当面の収支均衡を図ることはもとより、中長期的観点から持続可能な財政構造への転換を図ることが必要であったため、財政運営計画財政運営指針を策定し、これらに基づいて事業の廃止・見直しの徹底により歳出の抑制と県税収入などの歳入確保に腐心されました。そして、これにより生み出された財源を経済の活性化や雇用拡大、定住・交流人口の増加など、時代の要請に応じた課題の解決に資する施策に集中させ、めり張りの利いた予算配分に努められました。  浜田知事におかれましては、このような厳しい情勢下にあっても県政の諸課題に誠実に取り組み、あまたの成果を上げてきた一方で、最後の二年余りは新型コロナウイルス感染症の対策に忙殺されたことから、積み残しとせざるを得なかった施策もあり、じくじたる思いもされているのではないでしょうか。  浜田知事は二月に勇退を表明された際、全速力で走り続けたこの十一年余の来し方を省み、これからの様々な状況の行く末に思いを致し、熟慮を重ねた結果、県政運営のたすきを次の新しい走者に引き継ぐことを決断したと説明されましたが、この三期十二年の県政運営を振り返って、御自身ではどのように総括されているのか、お伺いします。  併せて、たすきを渡す次の知事に引き継がなければならない残された課題として何があるとお考えか、お伺いします。  質問の第二点は、職員の人材確保についてであります。  社会情勢の変化に柔軟かつ迅速に対応できる県庁づくりのためには、多様な視点を持ち、県民本位、地域本位で県の施策を着実に推進できる人材が必要とされております。また、地域活性化のための取組、人口減少・少子高齢化への対応など、県が取り組まなければならない行政課題は年々高度化、複雑多様化しており、これらに適切に対処していかなければならないと考えられます。そのためには、将来の県政を担い、多様な知識や技術、能力を持った優秀な人材を確保することが重要であります。さらに、新規学卒者だけでなく、民間企業や公的機関等で活躍した経験を持つ人を採用することも、様々な行政課題への的確な対応に有用であると考えます。  しかしながら、近年は、社会減と自然減を合わせた人口減少問題があらゆる産業分野における人手不足状態を招き、さらに民間企業、国や他の地方公共団体等が高い採用意欲を示し、積極的な広報活動を展開していることなどを背景に、人材の確保に向けた競争が厳しくなってきております。加えて、本県では職員の大量退職の時期を迎えることに伴い、知事部局でも最近は毎年度、百名を超える職員を新たに募集・採用しておりますが、採用辞退も多く発生していると聞いており、新規採用を含めた正規職員数が計画していた人員体制を満たせていないのではないかと心配されます。こうした事情もあり、職員の確保は一層厳しくなってきているのではないかと感じているところであります。  県においては、県の仕事内容やその魅力とやりがいはもとより、職員に対するキャリア形成支援や働き方改革への取組についても積極的に発信し、一人でも多くの学生等に就職先として県職員を目指してもらえるよう、あらゆるツールを駆使して動機づけを図っていただければと考えております。  また、デジタル社会の実現に向けた各種の施策を推進するため、デジタル技術に的確に対応できる人材を採用し、育成することがますます重要になってくるのではないでしょうか。  国の人事院は令和三年四月、デジタル人材の確保のための国家公務員採用試験の見直しを発表しました。これによりますと、令和四年度から国家公務員採用総合職試験に「デジタル」区分を新設するとともに、一般職試験についても、「電気・電子・情報」区分を「デジタル・電気・電子」とするなど、これまで以上に情報系の専門的な素養を持つ有為な人材を求めていることがうかがえます。  本県においても、昨年度策定したかがわデジタル化推進戦略に沿って、生活、産業、行政分野のデジタル化を推進するに当たり、職員採用においてデジタル人材の確保に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、民間企業や国家公務員、本県以外の地方公共団体との競争の中で、県におけるデジタル人材を含め県職員の人材確保にこれまでどのように取り組み、今後どのように進めていくのか、知事にお伺いします。  質問の第三点は、地域防災力の強化についてであります。  近年、全国各地で毎年のように豪雨による水害や土砂災害が発生しています。災害のたびに課題となるのが命を守るための適切な避難についてであり、国では、これまでも住民の適切な避難行動を促すための制度改正等を行ってきました。例えば、西日本を中心に一府十三県で二百名を超える死者・行方不明者を出すなど甚大な被害が発生した平成三十年七月豪雨を踏まえて、住民等が情報の意味を直感的に理解できるよう、五段階の警戒レベルを用いた防災情報の提供が開始されたほか、令和元年台風十九号等による災害を踏まえ、昨年五月には災害対策基本法の改正により、従来の避難勧告・避難指示を避難指示に一本化し、避難情報を住民に分かりやすく伝えるための見直しが行われてきたところであります。  しかしながら、多くの場合、避難情報が届いても、「前回大丈夫だったから」とか、「自分だけは大丈夫」、「みんなが逃げないから」といった災害時の正常性バイアスが働き、自主的な避難にはつながらず、住民の適切な避難行動の実現は一朝一夕になし得るものではありません。  一方、過去の度重なる風水害の経験により住民の防災意識が高い地区では、住民が主体となった防災訓練の実施や地区防災計画の作成といった取組が進められるなど、地区の役員と住民が平時から顔の見える関係を構築できており、台風接近の際には役員等が地区防災計画に基づき、高齢者等への避難の呼びかけを徹底した結果、多くの住民の適切な避難につながったという事例があります。  一例を挙げますと、平成三十年七月豪雨で甚大な被害が発生した愛媛県大洲市では、市内のほぼ全域で浸水被害や土砂災害があり、死者も出すなどの被害が発生しましたが、同市の三善地区においては、集中豪雨に関する情報を受けて、河川が氾濫する前に、あらかじめ災害に備えて作成していた地区防災計画に従い、住民同士が声を掛け合い、大半の住民が避難したことで、一人の死傷者も出すことはありませんでした。三善地区では地区住民の方々が、日頃から過去の洪水と同規模の洪水が来た場合を想定してワークショップや避難訓練を実施していたと聞いております。このように地域住民が平時から実践的な防災活動に参画することで、一人一人の防災意識や適切な避難行動に対する意識が高まり、地域全体の防災力向上が図られるという取組を進めていく必要があるのではないでしょうか。  本県においても、県や市町、さらには、かがわ自主ぼう連絡協議会によって地域の自主防災活動を促進するための取組が行われていますが、近年はコロナ禍の影響により十分な自主防災活動が実施できていないという声も聞こえてきており、地域における住民同士のつながりや共助の意識が薄れていくことが懸念されます。  風水害や土砂災害に加え、今後三十年以内に発生する確率が七〇%から八〇%と言われる南海トラフ地震への備えも待ったなしの状況にある本県にとって、住民同士の絆を深め、地域防災力を一層強化する必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四点は、森林整備と森林資源の循環利用についてであります。  森林は、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の保全、二酸化炭素の吸収、木材の供給等の多面的な公益的機能を有し、国民に広く恩恵をもたらしています。温室効果ガス排出量をゼロとするカーボンニュートラルを目指す観点からも、二酸化炭素を吸収・貯蔵する森林を伐採し、伐採した木材を住宅や家具として長期間利用し、伐採後は植樹する森林整備と森林資源の循環を推進することが重要であります。  このような中、昨年の三月頃から、新型コロナウイルス感染症による影響で、アメリカや中国での住宅建設需要の増加に端を発した世界的な木材需要の高まりなどにより木材輸入量が減少したため、輸入木材価格が高騰しています。ウッドショックと呼ばれているこの状況により国内の木材価格は大きく上昇し、その後、高い水準で推移しています。また、本年四月に、政府がウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加経済制裁として、木材など三十八品目の輸入を禁止したことにより、今後、木材の品薄や価格高騰がさらに進むのではないかとの懸念もあります。  一方で、これまで国産材の価格低迷に悩まされていた国内林業にとって、この事態は輸入材から国産材への切替えを進める絶好の好機と考えられるところではありますが、国内林業は労働力不足、市場価格が維持できないなどの構造的な問題や、国産材の性能では代替えが難しい住宅部材があるという課題があることから、直ちに国産材の供給を増やすのは容易ではないというのが実情のようであります。  こうした状況に対応していくためには、森林環境譲与税をうまく活用していくことが重要だと考えます。森林環境譲与税は令和元年度から都道府県や市区町村への譲与が開始されており、市区町村においては、間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林整備及びその促進に関する費用」に、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされています。  ところが、新聞報道等によりますと、令和元年度と二年度に全国で市町村に配分された資金のうち、五四%に当たる約二百七十一億円が使われず、基金に積み立てられたままとなっています。自治体も適切な使途が見いだせていないために、十分に活用されていないのではないかとの議論がなされているようであります。  本県においても、林業の担い手の育成・確保や県産木材の利用促進、供給体制の強化など多くの課題がありますが、ウッドショックなどによる木材価格の高騰を本県林業の好機と捉え、本県の特性を生かした持続可能な森林整備と森林資源の循環利用を着実に推進していくことが重要だと考えます。  そこで、今後、森林環境譲与税の活用も含め、どのように取組を進めていくのか、知事にお伺いします。  質問の第五点は、新型コロナワクチン接種についてであります。  新型コロナウイルス感染症オミクロン株による感染拡大は、三月二十一日に全ての都道府県でまん延防止等重点措置が解除され、新規感染者数は減少傾向となりました。しかし、より感染力が強い変異ウイルスの系統であるBA・2系統への置き換わりが急速に進んだ影響や、ゴールデンウイークの期間中に人の移動が増え、会食の機会が多かったことなどもあり、五月七日には本県の新規感染者数が五百十人と過去最高となるなど、再び増加傾向となりました。現在はゴールデンウイーク後の新規感染者数の増加のピークは脱しつつありますが、予断を許す状況にはなく、いまだ収束が見通せない状況であります。  こうした中、政府は、新型コロナウイルス感染症対策において、感染者数の増加を抑える手段として、また、感染予防や重症化予防の観点からも新型コロナワクチン接種を促進する方針を示しており、私としてもワクチン接種の促進が大きな力になると考えます。  これまで県や市町ではワクチン接種の加速化に努め、希望する方への三回目の追加接種も順調に進んでいると聞いており、知事をはじめ市町やワクチン接種に従事した医療機関、職域接種を行った企業・団体などの努力に敬意を表します。  三回目の追加接種については、昨年十二月から開始され、現在まで六か月が経過したところですが、若年層の接種率が他の世代と比べて低いことが指摘されております。本県においても、感染者の内訳としては三十歳代までが全体の六割超と多いことから、若年層へのワクチン接種を促進して、接種率を上げていく必要があります。  若年層のワクチン接種が進まない理由としては、その一つとして副反応への懸念が挙げられます。この対策としては、本年四月に国内で四種類目のワクチンとして承認されたノババックス社のワクチンが注目されています。このワクチンは、他のワクチンに比べて副反応が少ないと言われており、愛知県や鹿児島県ではノババックスワクチン接種センターを開設し、今月から接種が開始されていると聞いています。このように副反応の少ないノババックス社のワクチンという選択肢の提示は、アレルギー等により、モデルナ社やファイザー社のワクチンが接種できなかった人への新たな選択肢となるだけでなく、若年層に接種への行動変容を促すことにもつながると考えます。  そこで、若年層をはじめとした現在のワクチン接種の状況と、今まで接種をしていない人や三回目の追加接種を終えていない人の接種促進に向けた取組について、知事にお伺いします。  また、先月末から順次、四回目の追加接種が開始されているところですが、三回目の追加接種までとは違い、対象が六十歳以上と、十八歳から五十九歳で持病があるか、医師が重症化リスクが高いと認めた人に限定されています。四回目の追加接種により、一定期間重症化予防効果の低下を防ぐことができると言われており、対象者への接種を進めていく必要があります。
     円滑な実施に向け、四回目の追加接種をどのように取り組むのか、併せて知事にお伺いします。  質問の第六点は、少子化対策についてであります。  少子化の進行は、社会保障制度の持続可能性や経済の先行きへの不安を助長し、我が国の経済の重しとなっており、適切に対処しなければ、労働力不足による経済成長の減速、現役世代の負担の増加、地方を中心としたコミュニティーの崩壊など、社会経済に重大な影響を及ぼすことは明らかであり、少子化は将来にわたる国民共通の重大な危機であります。  厚生労働省が今月公表した令和三年の人口動態統計の概数値によりますと、令和三年の一月から十二月の出生数は約八十一万人で、六年連続で過去最少となり、少子化が加速しております。また、今後の出生数に影響する婚姻件数についても、令和二年は前年比一二・三%減と昭和二十五年以来の減少幅で、令和三年も人口動態統計の概数値で四・六%減となっており、コロナ禍の影響もあったものと考えられます。今後も婚姻数の減少が続くと、出生数も一層減少していくことが懸念されます。  本県についても、厚生労働省の人口動態統計によりますと、令和三年の出生数は六千二百二十三人で、過去最少である前年の六千百七十九人よりは微増であるものの過去二番目に少なく、依然として少子化の進行に歯止めがかからない状況にあります。  少子化の主要因の一つとしては、非婚化、晩婚化が挙げられます。かつては結婚に向けた社会的システムであったお見合いや社内結婚の社会的機能は最近では失われてきており、こうした社会的機能を補うために県としても結婚支援策に取り組んでいると承知しておりますが、結婚、妊娠・出産、子育てに温かい社会づくりを進め、結婚するカップルを社会が温かく迎える機運を醸成していくことが重要であり、これまで以上に積極的な取組が必要と考えます。個々人の結婚や出産、子育てなどの希望の実現を後押しするとともに、次代を担う子供たちを安心して生み、健やかに育てることに夢や希望を感じることのできる環境づくりに取り組むことは、人口の自然増だけでなく、若者の県外流出を防ぎ、県外からの移住・定住を促進するなど、社会増にも寄与するものであります。  現在、国においては、子供に関する諸施策の司令塔となる新組織、こども家庭庁の二〇二三年度の創設を目指して準備が進められており、本県においても「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画において、「子育て県かがわ」の実現を重点施策の一つとして掲げ、結婚から妊娠・出産を経て、子育てまでの切れ目のない支援を総合的に推進することとしておりますが、効果的な少子化対策の推進のためには、まず、少子化の要因を把握することが重要であります。  そこで、少子化対策を推進するため、本県における少子化の原因についてどのように現状を認識し、それを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  質問の第七点は、県内企業のデジタル化の推進についてであります。  e─Japan戦略から始まった国のIT戦略も、これまでは掛け声ばかりでなかなか進んでいませんでしたが、昨年九月にデジタル庁が設置され、十二月にはデジタル社会の実現に向けた重点計画を取りまとめるなど、国を挙げて社会全体のデジタル化が急速に進められています。  本県においても昨年十二月に、県、市町、民間事業者、県民が一体となりデジタル社会の形成を目指すかがわデジタル化推進戦略が策定されました。この戦略では、県内企業の九割以上を占め、本県経済を支える中小企業の大きな課題である人手不足の解決策として、IoT、ロボット、デジタル化等への取組が必要とされてきたことを踏まえて、産業のデジタル化デジタル人材の育成など、中小企業のデジタル化に資する取組を推進することとされています。  このような中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機として、生活スタイルや社会の在り方に大きな変化がもたらされ、ビジネス環境においても、特に、都市部ではテレワークやオンライン会議といったデジタルツールの活用が一般的なものになってきているようです。  しかしながら、県内企業においては、比較的規模の大きい企業では、総務や営業といった部門などはテレワークにもなじみやすい環境にあると思いますが、工場等の製造現場や規模の小さい企業では、テレワークなどのデジタル化の導入は現実問題として難しいのではないかと感じています。企業規模が小さくなればなるほど、今後も十分な人手の確保が見込めない状況が続き、自然災害や感染症流行など、事業継続上の様々なリスクが生じ得る状況下においては、労働生産性の向上だけでなく事業継続力強化の観点からも、中小企業におけるデジタル化を進めていくことが、ますます重要になってくると考えます。  また、我が国の労働生産性は主要先進国の中でもかなり低いとされ、その原因の一つが年間労働時間の長さにあると言われています。各企業においては、業務を短時間でこなすように意識改革に努めることも重要でありますが、事務作業のデジタル化やロボットの導入など、省力化につながるデジタル技術の活用を進めることで、この課題を解決できると期待されています。  これまでも中小企業の身近な存在である地元の商工会や、かがわ産業支援財団などがデジタル化を働きかけてきましたが、多くの中小企業では、デジタル化について関心は高いものの具体的な活用方法が分からない、社内にITに詳しい人材がいない、導入コストが割高、あるいはメリットが見いだせないなどの様々な理由から導入が進んでいないようであります。さらに、アナログな価値観の定着や長年の取引慣行など、便利なデジタル技術を取り入れるだけでは解決できない問題もあるのではないかと考えています。  そこで、県内の中小企業が、急速に進むデジタル化の潮流から取り残されることのないよう、デジタル技術の導入やその活用に向けてどのように支援していくのか、知事にお伺いします。  質問の第八点は、観光需要の回復に向けた観光振興策についてであります。  ウクライナ情勢による原油価格の上昇や円安などにより、今年四月の消費者物価指数は昨年同月を二・一%上回り、消費税率引上げによる影響を除けば、約十三年半ぶりの上昇率となりました。また、新型コロナウイルス感染症も二年を超えて長期化しており、県民生活や事業者の社会経済活動に多大な影響が及んでおります。  中でも観光業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により世界中で外出や旅行が制限され、国境が閉ざされたことから、壊滅的な打撃を受け続けております。一口に観光業と言いましても、旅行業、交通産業、宿泊業、飲食産業、アミューズメント産業、土産品産業などを含むものであり、その消費の裾野の広さゆえに、これまでに受けた打撃の深刻さは過去に類を見ないものであります。  国内観光客については、令和二年七月二十二日から実施された国のGo To トラベル事業により観光関連の需要が喚起されたところですが、感染拡大に伴い、同年十二月二十八日以降、全国で一時停止された後、再開されておりません。しかしながら、今年のゴールデンウイークは、令和二年の感染拡大以来、ようやく行動制限がなくなった結果、昨年比三・五倍の五十九万人の人出で県内各地の観光地がにぎわったと、久しぶりに明るいニュースが報道されました。また、先月二十四日には国の訪日観光再開に向けた実証事業が始まり、その二日後の二十六日には訪日外国人観光客の受入れ再開が表明され、今月十日から受入れが始まっているところであります。  現在、本県においては、今月末の宿泊分まで延長された新かがわ割の対象を、中国四国九県に兵庫県を加えた県民に拡大して実施しており、これは一定の実績を上げているようですが、十五日には岸田首相から、感染状況の改善が確認できれば、七月前半から助成対象を全国に拡大していくとの表明があったところであり、さらなる需要喚起の関連事業に大いに期待が寄せられているところであります。  今後、感染状況を十分に注視し、その影響が収まった際には、早期に、かつ着実に国内観光客の受入れを行い、観光需要の回復を図るとともに、訪日観光に必要な国のガイドラインを踏まえながら、円滑なインバウンドの受入れにも対応していく必要があるものと考えます。さらには、感染対策を徹底し、身近な地域資源の魅力に触れることができる本県ならではの新しい旅のスタイルなどを積極的に提案していくことは、地方においては他地域の観光地と差別化を図り、新しい需要を取り込む絶好の機会であると言えます。このように国内誘客の機会を逃すことなく、安全・安心を求める旅行者に本県を旅行先として選んでもらえるよう、変化する旅行形態に対応しながら、継続的に観光需要を回復するための取組が必要と考えます。  そこで、県として、これまでの取組を踏まえて、今後、観光需要をどのように喚起し誘客につなげていくのか、知事にお伺いします。  質問の第九点は、県産小麦の生産振興と需要拡大の取組についてであります。  我が国の小麦は、需要量の約八五%を外国産小麦の輸入で賄っておりますが、日本向けの輸入小麦産地である米国、カナダ産の昨夏の不作に加え、ロシアのウクライナ侵攻により、両国から輸出される小麦の供給への不安が高まっています。この供給不安に伴う国際相場の上昇に加え、急速に進んだ円安の影響もあり、輸入小麦の政府売渡価格は、令和三年四月期にトン当たり五万一千九百三十円だったものが、令和四年四月期には七万二千五百三十円と約四〇%も高騰し、小麦の輸入に影響が出始めています。  このように、食料の輸入は、主要輸出国の作柄変動や政情不安、大消費国における輸入量の増加のほか、感染症の流行等による国際的な流通の停滞などの不測の事態にも大きく影響されるところであり、食料自給率がカロリーベースで三七%と欧米諸国に比べて低く、食料の多くを海外からの輸入に頼っている我が国にとっては、食料安全保障の観点からも、昨今の小麦輸入を取り巻く情勢は懸念されるところであります。今後、食料の安定的な供給を確保するためには、国内の農業生産の増大を図り、これに輸入及び備蓄を適切に組み合わせることが必要であると言われています。  小麦について、国内において実需者ニーズに応じて生産拡大を図るとともに、食品関連企業等における原材料の外国産から国産への切替えの機運を高めるなど、国産小麦の使用を促進し、消費拡大を図っていくことが重要であります。  このような状況を踏まえ、国は原油価格・物価高騰等総合緊急対策として、輸入依存度が高い小麦の安定供給体制を緊急的に強化する補正予算を措置し、生産拡大と供給円滑化に取り組むことで国産小麦の安定供給体制の整備を図ることとしています。  一方、本県においては、これまで県オリジナル小麦「さぬきの夢」の生産振興に取り組んできたところであり、平成二十五年から本格栽培が開始されて以降、作付面積は年々増加し、令和三年産は二千ヘクタールを超え、収穫量についても令和元年以降、三年連続で年間の収穫量が八千トンを超える豊作基調で推移し、本年産についても、天候に恵まれ、順調に収穫できたと伺っております。  また、生産振興と併せて「さぬきの夢」の需要拡大にも取り組んできたところであり、昨年度からは新たに香川県製粉製麺協同組合をはじめ、洋菓子、和菓子並びに小豆島そうめんの団体と連携して新商品を開発するなど、「さぬきの夢」の利用の裾野を広げる取組を行ってきたところと承知しています。  そこで、昨今の国産小麦の需要の高まりに対応していくためには、県産小麦の生産振興と需要拡大の取組を両輪として一層強化する必要があると思いますが、今後、県としてどのように取り組んでいくおつもりか、知事にお伺いします。  質問の第十点は、幹線道路の整備についてであります。  道路には、人や地域を相互につなぎ、日常生活や観光等の人の移動と生活物資や農林水産品、工業製品等の物の広域的な輸送を支えるネットワーク機能や、地域・町の骨格をつくり、環境・景観を形成し、我々の日々の暮らしや経済活動等を支える環境を創出する空間の機能の二つの側面があり、県民の暮らしや地域経済を支える基本的なインフラであります。  本県では、都市部と地方部、産業拠点と交通結節点、中山間地域を結ぶ幹線道路の整備が着実に進んでいます。新しく幹線道路が開通すると、地域間の時間距離が短縮されることにより、大都市等への市場圏域の拡大、人々の行動圏域の拡大、地域間交流の促進、さらには並行する幹線道路においても、交通が分散することにより交通渋滞の緩和が図られます。道路整備による相乗効果により、県内産業の振興と雇用の拡大が図られ、長期にわたり地域経済の活性化を支える原動力になるものであります。また、災害直後から、避難・救助をはじめ物資供給等の応急活動のために、緊急車両の通行を確保すべき重要な路線である緊急輸送道路に指定されている道路などがあり、県民の安全と安心を守る生命線としての役割を担っています。  しかしながら、県内の県道では、平成二十七年の台風十一号により丸亀市の土器川に架かる中方橋が被災したことによる通行止めや、平成三十年に相次いだ豪雨で発生した高松王越坂出線の土砂災害により坂出市王越地区が一時孤立する通行止めなどが発生し、県民生活に多大な影響を与えました。  近年の激甚化・頻発化する豪雨災害などの大規模な自然災害や今後三十年以内に七〇%から八〇%の確率で発生するとされている南海トラフを震源とする地震から速やかに復旧や復興等を行うためには、平時・災害時を問わない安定的な輸送路を確保することが求められているのであります。  ところで、幹線道路の整備を行えば、これに伴い歩道等の新たな設置や、事故の多い交差点や円滑な交通を確保するための線形の改良、鉄道路線との立体交差、道路の拡幅等が必要に応じて行われます。こうした事業は、交通事故の起きにくい道路交通環境の整備に寄与することと考えられます。すなわち、これは浜田知事が就任以来、熱心に取り組んでおられます交通死亡事故の抑止につながることでもあります。  四国では、これまでに本州四国連絡道路とともに、8の字ネットワークを目指し、高速道路の整備が進められてきました。県内でも、高松自動車道の四車線化や高松西インターチェンジと高松空港を結ぶ空港連絡道路である県道円座香南線などの整備が進められてきましたが、この高速交通体系の整備効果を県内全域に波及させ、県勢の確実な発展、豊かな未来の実現に資するためには、高速交通体系と一体となった幹線道路ネットワークの構築を推進することが求められております。また、県民の生命と財産を守る災害に強い県土づくりを行うためにも、これらを補完する幹線道路の整備に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、県内の幹線道路の整備における現在の状況と今後の考えを、知事にお伺いします。  質問の第十一点は、魅力あふれる県立高校推進ビジョンについてであります。  県立高校の魅力化を推進するために令和二年三月に策定された魅力あふれる県立高校推進ビジョンでは、高校教育における現状と課題を挙げ、今後十年間を見据えて、高校で育成すべき資質・能力や推進する教育活動について一定の方向性を掲げるとともに、そのために必要な教育環境の整備について示しています。その必要な教育環境の整備の一つに学校・学科の再編整備があり、東讃地域の高校再編整備が挙げられています。  東讃地域に新しく整備する統合高校については、魅力あふれる県立高校推進ビジョン策定後、有識者、学校関係者、保護者、地元企業、地元自治会の代表者の方々などを委員とする県立高校の魅力化に関する協議会や東讃統合校に関する懇談会等で議論が重ねられ、令和三年三月に、新しい統合高校の教育内容等の大枠である東讃地域の新しい統合高校のグランドデザインが策定されました。令和三年四月以降、このグランドデザインを基に、地元小・中学校やPTA連絡協議会などを通じて地元地域の方々への説明を行うとともに、新しい統合高校の整備場所や特色、魅力ある教育内容等についての検討を引き続き進めていると伺っています。  近年、高校の果たす役割は大きく、地域を支える人材育成に加え、地域活性化の核としての役割なども求められています。地元地域の方々は、石田高校、志度高校、津田高校の三校を統合してできる新しい高校にもこのような役割を期待していることから、また、子育て中の保護者の方にとっては通学のしやすさや周辺環境などの観点から、新しい統合高校がどこにできるのか、大きな関心を寄せていることと思います。  そこで、新しい統合高校について、整備場所などを含めた検討状況はどのようになっているのか、知事にお伺いいたします。  また、これからの高校には、グローバル社会などの多様性に対応する力、新しい価値を生み出すイノベーション力など、予測困難なこれからの社会を生きる子供たちに必要な資質・能力を育成していくことも求められます。東讃地域に整備される新しい統合高校は、グランドデザインでは、五つの学科を持つ、これまでにないような高校となることが示されています。単に三校を一校にまとめるということではなく、三校の特色が融合されることによって相乗効果が生まれ、子供たちがこの学校に行きたい、保護者の方々があの学校で学ばせたいというような新たな魅力が加わらなければならないと考えます。  そこで、新しい統合高校の教育内容等をどのように考えているのか、その検討状況について教育長にお伺いいたします。  最後に、質問の第十二点は、県民の安全・安心確保のための犯罪防止対策についてであります。  我が国の治安情勢は、平成八年から平成十四年までの間、刑法犯認知件数が毎年戦後最多を記録して増加を続け、平成十四年には二百八十五万件を超え、とりわけ国民が身近に脅威として感じる路上強盗、ひったくり等の街頭犯罪や侵入窃盗、侵入強盗等の侵入犯罪の増加が顕著でありました。こうした状況を受け、国は平成十五年に「世界一安全な国、日本」の復活を目指し、犯罪に強い社会の実現のための行動計画を策定し、その実現に向けた一歩を踏み出して以降、刑法犯認知件数は一貫して減少を続け、令和三年には五十六万八千件余と、平成十四年と比較し約八〇%減少しました。  一方、本県においては、平成十五年に刑法犯認知件数が二万二千件を超えピークとなりましたが、県民や民間事業者、関係機関・団体等と連携し治安回復に取り組んだ結果、令和三年の刑法犯認知件数は三千八百一件と、七年連続で戦後最少を更新するなど、治安指標に一定の向上が認められたところであります。  しかしながら、令和三年の犯罪認知件数等を個別に見ますと、ストーカー事案の認知件数は百七十八件、DV事案の認知件数は五百五十一件と、前年と比べ、それぞれ三〇・九%及び四六・五%の増加となっており、サイバー犯罪に関する相談件数は過去十年で二番目に多く、二年連続で一千四百件を超えています。高齢者が標的とされやすい特殊詐欺については、認知件数は前年から減少しているものの、被害総額では約一千七百万円増の一億円余となっており、今年に入ってからは三月までの認知件数が二十二件と、昨年同期に比べ二・四倍に急増し、過去五年間では最も多く、被害額も約二百九十万円増の二千万円余に上るなど、増加傾向にあります。また、重要犯罪では、昨年、高松市の男性が同僚にクロスボウで殺害され遺棄されるという事件や、さぬき市で保険金目的で交通事故に見せかけて父親を殺害するという事件が発生しました。  治安指標に一定の向上が認められるとはいえ、このような私たちの生命や財産に危害を及ぼす事件が発生すると、県民の体感治安が大きく悪化し、不安になることから、この種の事件が発生しないよう、県民が安全・安心を実感できる地域づくりに向け、犯罪を未然に防止するための対策を一層推進していかなければならないと考えます。  県警察に対しては、昨今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による新しい生活様式の実践、少子高齢化に伴う人口構造や家族構成の変化、国民生活や経済活動へのサイバー空間の一層の拡大など、社会情勢の変化を的確に捉えた犯罪防止に向けた活動に大きな期待が寄せられるところであります。  そこで、県民の安全で安心な暮らしの確保のための犯罪防止対策について、今後どのように取り組むのか、警察本部長にお伺いします。  以上で自由民主党香川県政会を代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)自由民主党香川県政会代表松原議員の御質問にお答えいたします。  ただいまは過分なお言葉をいただき恐縮しておりますが、まず県政運営の総括についてお答えいたします。  私は、これまで三期約十二年の間、着々寸進、洋々万里の気概を持って、先人のたゆみない努力と情熱によって築かれた県政の礎を引き継ぎ、さらに発展させることにより、せとうち田園都市を創造するという理念の下、「信頼・安心」、「成長・元気」、「笑顔」を旗印として、郷土香川の飛躍を目指し、県議会の御理解を賜りながら様々な施策に取り組んでまいりました。  具体的には、一昨年来、世界的規模で感染が拡大する新型コロナウイルス感染症の検査・医療提供体制の確保、社会経済活動との両立をはじめ、災害に強い香川づくりを目指した海岸堤防やため池の耐震化などの県独自の防災・減災対策、かがわ縁結び支援センターの開設・充実などによる「子育て県かがわ」の実現、医療情報ネットワークK─MIXの推進やドクターヘリの導入、ハード、ソフト両面からの交通死亡事故対策に力を尽くしてまいりました。また、豊島廃棄物等処理事業の着実な推進、水道事業の統合・広域化に全力で取り組んできました。さらに、Setouchi─i─Base(セトウチ・アイ・ベース)を拠点とする情報通信関連産業の育成・誘致や県独自の奨学金制度の創設による若者の県内定着促進、トップセールスによる戦略的な企業誘致、地方版ハローワーク「ワークサポートかがわ」を中心とした雇用対策を進めるとともに、「うどん県。それだけじゃない香川県」をアピールし、国際航空路線の拡充、交流人口の拡大、オリーブ牛などの農畜水産物等の県産品振興、瀬戸内国際芸術祭の開催などアート県の推進等々による地域の活性化・人口減少対策に積極的に取り組んでまいりました。本年度からは、小・中学校全ての学年で三十五人学級がスタートし、新県立体育館も着工いたしました。  一方、こうした施策の着実な推進を図りながら、県財政の状況を踏まえ、持続可能な財政構造への転換を図るため、財政運営指針等を策定し、計画的な財政運営にも努めてまいりました。  私といたしましては、こうした施策を通して、子供からお年寄りまで全ての人が安心して健やかな日々を過ごし、活力に満ちあふれ、笑顔で生き生きと暮らすことのできるせとうち田園都市の創造に向けた歩みを前に進めることができたのではないかと考えております。  他方、県政には、私の任期を超えて中長期的に取り組まなければならない課題や社会情勢の変化に伴い生ずる新たな課題も山積しており、こうした諸課題に対して、財政規律の確保にも意を用いながら、本県の一層の発展のため取り組んでいく必要があることを新しい知事に引き継いでまいりたいと考えております。  具体的には、本県にとって喫緊かつ重要な課題である新型コロナウイルス感染症への対応は、これまで二年余りにわたって取り組んでまいりましたが、いまだ収束には至っておらず、引き続き感染拡大の防止と社会経済活動の両立に取り組むとともに、ワクチン接種の加速化などにより収束に向かう筋道をつけることが求められております。  また、頻発する災害から県民の皆様の命と財産を守る防災・減災対策のうち、多額のコストを伴うハード整備等については計画的に取り組む必要があるほか、本県の人口構造を変え、人口増へ転換するなど、人口減少問題を克服し、地域の活力を取り戻していくためには長期間を要することから、引き続き重点的に取り組む必要があります。  さらに、社会変革を促し、地域の持続的な発展を図る上で対応が求められているデジタル化や脱炭素の推進は、県の社会全体で多様な主体が連携・協力して多岐にわたる取組を行うための戦略や体制を整えるなど緒に就いたところであり、今後はこれらを基に、他地域に遅れることなく、効果的に取組を進める必要があります。  とりわけ、かがわDX Lab(ラボ)及び同施設内に今後新たに設置する民間事業者向けサテライトオフィスを拠点とする官民共創によるデジタルトランスフォーメーションの推進、新たに着手した二〇二五年開催予定の大阪・関西万博と連携した本県の活性化につながる取組や「空飛ぶクルマ」のような新しい技術の活用に向けた取組など、本県の将来の発展のために機を逸することなく進めていく必要があるものについては、新しい知事が着実に推進していくことができるように引き継いでまいりたいと考えております。  私といたしましては、引き続き残る任期いっぱい、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ県政の諸課題の解決に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、職員の人材確保についてであります。  行政課題が高度化、複雑多様化する中、全国最小規模の職員数である二千八百人体制の下で質の高い県民サービスを提供し続けるためには、新規学卒者だけでなく、民間企業や公的機関等での職務経験者など、多様な知識や技術、能力を有する優秀な人材を確保する必要があると考えております。  県では、平成二十五年度から、学生に県職員の仕事の魅力ややりがいを直接体験していただけるよう、全庁的なインターンシップを実施しているほか、就職情報会社のサービスやSNSを活用した情報発信に取り組むなど、採用活動の強化に努めています。  また、人事委員会と連携した職員採用セミナーでは、私自身が直接県職員の仕事の魅力について説明しているほか、職員のキャリア開発の促進や働き方改革への取組について周知するなど、本県が学生等にとって魅力ある就職先として選ばれるよう取り組んでいるところであります。  一方で、議員御指摘のとおり、近年、人手不足等を背景として、民間企業や国、他の地方公共団体等との人材確保に向けた競争は厳しさを増しており、それに伴って採用辞退が数多く発生し、採用計画で予定していた職員数の確保が困難な状況となっています。職員採用試験の合格者に対しては、これまでも交流周知会の開催や県政情報の提供など、きめ細かに対応し、確実に採用に応じていただけるよう努めてきたところでありますが、今年度の採用試験においては、人事委員会とも協議して、採用辞退の状況や試験成績に応じて追加合格を行う予定としており、計画した職員数を確実に確保できるよう対応してまいりたいと考えております。  また、デジタル技術に対応した人材の確保につきましては、昨年度の職務経験者採用試験において新たにICT関係の試験区分を設け、本年四月に一名を採用するとともに、今年度の採用試験においても引き続き一名を募集しているところであり、今後も計画的にデジタルに関する知識や技術を持った職員の確保を図ってまいります。  県におきましては、今後も様々な機会を捉えて、県職員の仕事の魅力等を積極的に情報発信するとともに、社会情勢の変化を踏まえ、採用試験の実施方法や採用活動の在り方についても検討を行い、デジタル化への対応など、高度化・複雑多様化する行政課題に対し対応できる優秀な人材の確保に努めてまいります。  次は、地域防災力の強化についてであります。  大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況にある中、災害による被害を最小限に抑えるためには、警察や消防、自衛隊などの公助による対応だけでなく、共助によって地域で互いに助け合うことが極めて重要でありますことから、県では、これまでも共助の要となる自主防災組織の結成促進や機能強化に向けた様々な施策に取り組んでおります。  具体的には、活動が活発でない自主防災組織や組織を結成していない地区の自治会等に対し、かがわ自主ぼう連絡協議会や香川県防災士会の会員などを自主防災活動アドバイザーとして派遣し、地域における防災訓練の実施など、組織の結成や活性化に向けた指導・助言を行うとともに、自主防災組織が自ら創意工夫して行う避難訓練をはじめとする各種訓練や避難所の運営に必要となる資機材の整備など防災活動の活性化に資する取組に対して、各市町と連携して支援を行うなどの取組を行っております。  こうした取組により、本年四月時点の自主防災組織の活動カバー率は九七・二%となっておりますが、市町や地域によってばらつきがあり、また、活動状況が十分とは言えない組織も散見される状況にあるところです。  こうした中、議員御指摘の地区防災計画は、自主防災組織等が主体となって、地区の自然的・社会的特性等に応じて策定する防災訓練や物資の備蓄、避難支援など自発的な防災活動に関する計画であり、策定過程において地域の住民の方々に加え、学校関係者や福祉関係者など様々な立場の方にも参加いただくことで住民同士の絆も深まり、共助による防災活動を推進する上で有用であると考えております。  このため、今年度、これまでの取組に加え、新たに地区防災計画策定促進事業を創設し、自主防災組織等が行う地区防災計画の策定に向けた取組を支援することとしており、引き続き市町や防災関係機関等と連携して、こうした取組を着実に進めることで地域防災力の一層の強化を図ってまいります。  次は、森林整備と森林資源の循環利用についてであります。  県では、森林の持つ県土の保全や水源の涵養、二酸化炭素の吸収源などの公益的機能を持続的に発揮させるため、本県の特性を踏まえ、森林資源の長期的・持続的な利用や林業の生産性の向上などに重点を置いた香川型林業の構築に向けた取組を進めております。こうした中、昨年の木材不足・価格高騰、いわゆるウッドショック等の影響による輸入材から国産材への切替えの機運の高まりを好機と捉え、本県林業の振興につなげていくことが重要であると考えております。  そのためには、担い手対策のほか、県産木材の供給体制の強化や利用促進など多くの課題があり、これまで以上に各市町や森林組合等と連携を図るとともに、市町ごとの取組では解決が難しく、広域的に取り組むべき課題については、今後の対策の方向性などを十分議論しながら進めていく必要があると考えております。  このため、本年三月、新たに県と十六市町等によるかがわ森林整備担い手対策協議会を設置し、森林整備の担い手の育成・確保などの検討を始めたところであり、今後、議員御指摘の森林環境譲与税の有効活用の観点も踏まえ、各市町等と議論を深め、効果的な担い手対策に取り組んでまいります。  また、県産木材の供給体制の強化に向け、今年度から新たに六十年生を超える人工林の搬出間伐を補助対象とし、木材搬出量の増加を図るほか、香川県森林組合連合会が検討している新たな加工流通施設への支援などにも取り組むこととしております。  さらに、利用促進につきましては、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の改正により、利用促進の対象が公共建築物から民間建築物にも拡大されたことを受け、県の公共建築物はもとより、各市町や事業者、県民の皆様の取組も含め、より一層県産木材の利用促進を図ってまいりたいと考えております。  こうした取組を通じて、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指す観点からも森林整備と森林資源の循環利用を推進し、本県の林業・木材産業の成長発展を図ってまいります。  次に、新型コロナウイルスワクチンの接種についてであります。  現在の接種状況として、六月十六日時点での三回目接種率は、全国平均が六〇・五%に対し本県は六〇・六%であり、ほぼ同水準となっております。また、本県の若年層の接種率は、十二歳から十九歳が二九・六%、二十歳代が四五・六%、三十歳代が四七・七%であり、議員御指摘のとおり他の世代と比べて低い状況にあります。  県では、新聞広告やテレビコマーシャルのほか、若い世代になじみが深いSNSなども活用し幅広く広報を行うとともに、若年層の接種率が低い状況を踏まえ、先月以降、県内の大学や企業、関係団体に接種促進の協力を依頼してまいりました。また、県広域集団接種センターを今月十一日から再開し、来月三日までの毎週土曜日・日曜日に県庁本館二十一階で予約なしでの三回目接種を実施しており、県全体の接種率の底上げを図ってまいります。  このほか、本年四月に新たに承認された御指摘の武田社製のノババックスワクチンの接種につきましては、これまでのワクチンに対し接種を見送ってきた方にとって新たな選択肢が増えることとなり、接種の促進につながるものと考えております。接種場所につきましては、高松市内十一か所の医療機関において開始することとしておりましたが、新たに坂出市の医療機関が追加され、今後も引き続き関係機関との調整を進め、接種場所の確保に努めてまいります。  四回目接種につきましては、各市町において順次接種が進められており、県といたしましても、四回目接種が円滑に進むよう、各市町が設置する集団接種会場への医療従事者の派遣調整など、各市町のニーズに沿ったきめ細かな支援を引き続き行ってまいります。  私といたしましては、地道な接種の促進が感染拡大を抑える大きな力となると考えており、より多くの方にワクチンの有効性を御理解いただけるよう丁寧に情報発信していくとともに、引き続き各市町、医療機関、関係団体等と緊密な連携の下、より一層の接種促進に向けて着実に取り組んでまいります。  次は、少子化対策についてであります。  少子化の主な原因は、議員御指摘の非婚化・晩婚化や夫婦の出生子供数の減少などが考えられ、国立社会保障・人口問題研究所実施の第十五回出生動向基本調査では、男女共に九割近くの未婚者が「いずれ結婚する」ことを希望しながら、「適当な相手にめぐり会わない」、「結婚資金が足りない」などの理由で結婚できないとの結果が出ております。また、夫婦の理想の子供の数は二・三二人ですが、実際に持つつもりの子供の数は二・〇一人で、理想の数を下回っており、その理由として、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」、「自分の仕事に差し支える」、「欲しいけれどもできない」との回答が多い状況でした。  本県の平成二十九年度県政世論調査においても、出生率の低下の原因として、「初婚年齢が高くなり、未婚も増えている」、「子育てのための経済的負担が大きい」、「子育てと仕事を両立させる社会的仕組みが整っていない」との回答が上位を占めております。このため、県では、結婚の希望や子供を持つ希望がかなえられるよう、結婚から妊娠・出産を経て、子育てまでの切れ目ない支援を総合的に推進しているところであります。  結婚支援につきましては、かがわ縁結び支援センターにおいて、結婚を希望する男女の出会いから成婚までのサポートを行っており、本年一月にはコロナ禍も踏まえ、自宅のパソコンなどからお相手の閲覧やお引き合わせの申込みができるようにするなど、利便性向上に取り組んでいるところであり、今後はより多くの方の会員登録を進め、成婚につながるよう支援の工夫と充実を図っていく必要があると考えております。  妊娠・出産への支援につきましては、助産師や医師による相談支援体制を強化するほか、若者世代に対し、妊娠・出産に関する正しい知識の普及啓発を行い、将来のライフデザインを描ける機会を創出する取組の拡充を図ります。
     また、子供も持ちたいと望む方が経済的な負担を理由に不妊治療を諦めることがないよう、今月十三日には国に対し不妊治療への財政的支援等の実施を求めたところであり、今後とも子供を望む方が安心して妊娠・出産できる環境の整備に努めてまいります。  加えて、引き続き幼児教育・保育の無償化や各種助成等により子育てに伴う経済的負担の軽減を図るとともに、多様な働き方を選択できるよう働き方改革を推進し、仕事と家庭生活の両立支援に注力してまいりたいと考えております。  今年度は、県政世論調査において少子化対策について調査を行っておりますので、その調査結果も踏まえ、次代を担う子供たちを安心して生み、健やかに育てることができる「子育て県かがわ」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  次は、県内企業のデジタル化の推進についてであります。  新型コロナウイルス感染症の拡大により従来の社会経済活動が制約される中、民間企業の活動は、デジタル技術を用いたオンライン会議やテレワーク設備の導入、ペーパーレス化など急速な変化がもたらされており、県内においてもテレワークへの移行やデジタル技術を活用した新たなビジネス展開が進みつつあると認識しております。一方で、議員御指摘のとおり、特に規模の小さい中小企業等においては人材面や経費面等からデジタル技術の導入が進みにくい状況にあるため、県として、こうした取組を積極的に支援していく必要があると考えております。  このため、県では令和二年度から、中小企業等のデジタル化を推進するため、ITコーディネーターなどの企業内部のデジタル化に経験豊富な専門家が個別に県内企業に出向き、ヒアリングを実施した上で、低コストで効果的かつ成功体験を実感できるデジタル化の手法を提案するなど、県内企業のお困り事が解決できるよう柔軟に対応しております。また、AI等のデジタル技術を活用した取組を進める企業に対しては、研究開発費の補助制度を設けているほか、産業技術センターやかがわ産業支援財団等が連携し、技術相談等の支援を行っております。  今後、専門家が支援した事例につきましては成果報告会で発表するなど、県内企業に広く情報を提供するとともに、各種支援策を継続的に講じることで企業の競争力の強化を図ってまいります。  このような県内企業のデジタル化の推進により、労働生産性の向上や事業継続力の強化などを実現できるよう、引き続き県内の商工会、商工会議所、かがわ産業支援財団や公設試験研究機関等と連携しながら、きめ細かな支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、観光需要の回復に向けた観光振興策についてであります。  議員御指摘のとおり、コロナ禍により観光関連産業は過去に類を見ない甚大な影響を受けていることから、落ち込んだ観光需要を早期に回復させるとともに、多様化する旅行ニーズに対応し、新たな需要を取り込んでいくことは喫緊の課題であると認識しております。  このため、県では旅行需要の回復と観光関連消費の喚起を図るための県内宿泊等促進事業を継続的に実施しており、今月十日時点の延べ利用者数が約三十五万人に上るなど、一定の役割を果たしていると考えております。本事業の助成対象は来月前半にも全国に拡大されることから、速やかに準備を進めるとともに、瀬戸内国際芸術祭の開催に合わせて、本県も旅行先として選んでいただけるよう、県公式観光サイトやSNSで積極的な情報発信を行うことに加え、旅行事業者に対してより一層の商品造成を働きかけてまいります。  また、昨年度から継続して、民間事業者等による本県ならではの豊かな資源を活用したコンテンツ造成等への支援を行うとともに、インターネット上のみで取引を行う旅行会社、いわゆるOTAと連携し、滞在型旅行商品を造成・販売しているほか、今年度はこうした商品の販売促進を図るため、最大二千円を割り引くキャンペーンを実施するなど、新たな観光需要の創出に積極的に取り組んでまいります。  さらに、今月十日からは訪日外国人観光客の受入れが一部再開されたところであり、今後期待される地方への本格的なインバウンド回復を見通し、国のガイドラインも踏まえ、円滑な受入れに向けて準備を進め、引き続き県内外の感染状況も注視しながら、観光需要回復のための取組を着実に進めるとともに、今後の需要変化に的確に対応した施策を展開することにより、観光関連産業の振興と本県への誘客促進を図ってまいります。  次に、県産小麦の生産振興と需要拡大の取組についてであります。  世界的に小麦の供給懸念が生じ、国産小麦の需要が高まる中、食料安全保障の観点からも小麦の生産体制を強化するとともに、生産された小麦を国内での消費につなげ、外国産から国産への切替えの流れをより一層推進していくことが重要であります。  本県において、小麦は水稲との二毛作で栽培される重要な品目であり、これまで収量を向上させるための技術や省力化を図るための機械の導入支援を行い、県産小麦の作付面積の拡大と生産性の向上に取り組んできたところでありますが、国産小麦の需要が高まっているこの機を捉え、県産小麦の生産振興をより積極的に進めていく必要があると考えております。  このため、国の緊急対策事業を活用して、小麦作付の団地化の推進やスマート農業機械の導入などを支援するための補正予算を今定例会に御提案しており、本事業を通じて生産性の向上を図り、高品質な県産小麦を安定的に生産できる体制を整備してまいりたいと考えております。  また、県産小麦の需要拡大につきましては、昨年度、県製粉製麺協同組合や県菓子工業組合など関係六団体と県との間で、「さぬきの夢」の利用促進に係る連携協定を締結し、「さぬきの夢」を使った和洋菓子などの新商品開発に御協力いただいたところであり、今年度は新たに県ホテル旅館生活衛生同業組合と連携して「さぬきの夢」を使った新メニューを開発し、宿泊客等に提供いただくこととしております。  さらに、学校給食における地産地消のニーズを踏まえ、県学校給食会や地元の製粉業者、製パン業者等との協力の下、学校給食に県産小麦で作ったパンを使用してもらえるよう働きかけており、今後とも他業種や団体等と幅広く連携しながら新たな需要の拡大・創出を図るとともに、その定着にも努めてまいります。  このように、今般の国産小麦の需要の高まりを契機として、需要に応じた県産小麦の安定生産がより一層図られるよう、生産振興と需要拡大の両面から積極的に取り組んでまいります。  次に、幹線道路の整備についてであります。  道路は、県民生活や経済活動を支え、活力ある地域社会の形成に欠くことのできない社会資本の一つであり、その整備に当たりましては、道路の持つネットワークとしての機能を最大限に引き出すことが重要であることから、県ではこれまで、交通拠点や産業拠点等を相互に連絡し、アクセス機能の強化を図る幹線道路の整備を進め、高速交通体系と一体となった幹線道路ネットワークの構築に取り組んでまいりました。  具体的には、まず、高規格道路である高松西インターチェンジと高松空港を結ぶ空港連絡道路については、中間工区約三キロメートルが平成三十年三月に、また、香南工区約六キロメートルのうちバイパス区間約一キロメートルが本年四月にそれぞれ供用を開始いたしました。また、直轄国道である国道十一号では、大内白鳥バイパス約九キロメートルのうち約六キロメートルが昨年十二月までに開通し、国道三十二号では、新猪ノ鼻トンネルを含む猪ノ鼻道路約八キロメートルが令和二年十二月に開通しております。このほか、さぬき浜街道では白方トンネルを含む多度津西工区約三キロメートルが本年三月に供用を開始し、県道高松長尾大内線ではバイパス区間約二十六キロメートルの全線四車線化が令和元年五月に完成したところであり、これらの整備により交通の円滑化や利便性の向上、交通事故の抑止はもとより、生産性向上や交流機会の拡大といった地域経済に好循環をもたらすいわゆるストック効果の発現が期待されているところであります。  今後は、これらの整備効果をより一層引き出すため、高規格道路では空港連絡道路の整備を引き続き推進するとともに、高松環状道路の高松市檀紙町からサンポート高松付近までの区間が国の直轄事業として早期に事業化されるよう積極的に国に働きかけてまいるほか、国道十一号大内白鳥バイパスや豊中観音寺拡幅の整備促進に努め、さぬき浜街道や国道四百三十八号など幹線道路の整備を着実に進めてまいります。  このほか、災害に強い県土づくりにも取り組んでおり、平成二十七年に被災した県道善通寺綾歌線の御指摘の中方橋の架け替え工事は今年度中に完了する予定であり、また、平成三十年に被災した県道高松王越坂出線の乃生工区では改良を含む防災工事を進めております。  私といたしましては、今後とも地域経済の活性化や安心して快適に暮らすことができる地域づくりを推進するため、幹線道路をはじめとする県内の道路整備を積極的かつ着実に進めていく必要があると考えております。  最後は、魅力あふれる県立高校推進ビジョンについてであります。  東讃地域に整備する新しい統合高校は、子供たちが人間的な成長を期する場としてより一層魅力のある高校としなければならないと考えております。  その整備場所につきましては、教育委員会において様々な御意見も伺いながら、グランドデザインに示した教育内容を実施するために必要な一体的な用地の確保や周辺環境、生徒の通学の利便性、今後の人口動態、自然災害等のリスクなどの観点から、これまで慎重に検討を重ねてきたところであります。その結果、JR高徳線と琴電長尾線の双方を利用した通学が可能であり、東讃地域をはじめ幅広い区域の生徒が通うことができることや、統合後も活用することを考えている石田高校の農業実習地への移動が容易であることなどの理由から、さぬき市造田地区に新たに整備することが最善ではないかと判断されたところであり、私といたしましても同地区が統合高校にふさわしい候補地と考えております。  また、開校時期につきましては、用地の確保や建設工事に要する期間等を考慮し、令和十年四月の開校を目指したいとの教育委員会の意向を受けており、今後、教育委員会において、さぬき市の御協力もいただきながら、関係する皆様方に丁寧に説明を行ってまいります。  統合後の既存校の土地や施設につきましては、地域の活性化を図る観点からも有効に活用する必要があることから、教育委員会において、さぬき市との連携の下、地元の方々の御意見もお伺いしながら、その活用方策について検討してまいりたいと考えております。  今後とも、新たに整備する高校が、東讃地域の新しい統合高校のグランドデザインに示した「夢をかなえ、地域を支え、未来に羽ばたく」人材を育成できるよう、また、地域の方々に愛され、期待される魅力あふれる学校となるよう取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党香川県政会代表松原議員の魅力あふれる県立高校推進ビジョンについての御質問にお答えいたします。  ビジョンでは、これからの社会を生きる生徒に必要な資質・能力として、イノベーション創出力、グローバル社会への対応力、郷土への理解・郷土愛を挙げております。新しい価値を生み出すイノベーション創出力を身につけるためには、多様な見方、考え方に触れ、異なる知識を結びつけ、それを深めていく経験を積む必要があります。また、グローバル社会への対応力についても、価値観の異なる他者と協働、共生した活動を積み重ねることで身につくものであると考えております。  そのため、専門学科に普通科を併せた五つの学科を設置する新しい統合高校では、従来のような学科縦割りの学びではなく、複数の学科に様々な価値観を持つ生徒が集まることを積極的に生かし、「時代に即応した専門教育」、「地域の課題解決型学習」、「学科横断型教育」を三本柱とした教育活動を展開したいと考えております。  具体的には、普通科や専門学科の学びを充実させながら、一年次のクラスは異なる学科の生徒が混在するミックスホームルームとするとともに、課題解決への取組についても学科横断のチームで行ったり、また、農業科の生徒がマーケティングを学ぶなど、他の学科の内容を取り入れることで専門性をより深めてまいりたいと考えております。学校行事や部活動等についても、三校のこれまでの伝統を生かしながら、特色化がより一層図られるよう努めてまいります。  また、統合高校では、学校と地域が一体となったコンソーシアムをつくり、地元自治体、大学、企業、同窓会、PTAなどと共同で様々な教育活動を展開することで、地域を核とした教育活動を推進してまいりたいと考えております。  今後は、三校の現場の教職員やさぬき市の学校関係団体、民間団体の代表者のほか、各界の有識者からも御意見をいただく開校準備委員会を設け、統合高校の特色ある教育内容等について、さらに具体的に協議していくこととしております。  県教育委員会といたしましては、今後、統合高校の整備候補地である造田地区の皆様に統合高校の設置の趣旨を説明し、御協力をお願いするとともに、これまでにない魅力を備えた、子供たちが進学したいと思える高校、地域活性化の核ともなる高校を目指し、引き続き地域の皆様の御意見を伺いながら、開校に向けた準備を進めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党香川県政会代表松原議員の県民の安全・安心確保のための犯罪防止対策についての御質問にお答えいたします。  県下の犯罪情勢につきましては、昨年の刑法犯認知件数が戦後最少を更新するなど、数値面では改善が認められますが、依然として殺人などの凶悪犯罪、ストーカーやDV、児童虐待等の人身安全関連事案が後を絶たないほか、サイバー犯罪や特殊詐欺の手口が悪質・巧妙化するなど、予断を許さない情勢にあります。  このため、県警察では、この種の犯罪の未然防止を図ることが喫緊の課題と考えており、社会の変化を的確に捉えた犯罪防止対策を推進しているところであります。  具体的には、殺人などの凶悪犯罪に発展するおそれがあるストーカーやDV、児童虐待等の人身安全関連事案につきましては、被害者等の生命、身体の安全確保を最優先とし、県子ども女性相談センター等の関係機関や各市町と緊密に連携・情報共有しながら、早期段階での犯罪等の兆候の把握に努め、被害の未然防止や拡大防止に取り組んでおります。  また、サイバー犯罪につきましては、近年、ランサムウェアに代表されるサイバー空間の脅威への対処能力を強化するため、民間事業者の知見等を活用した教養・研修により専門捜査員を育成し、取締りを強化するとともに、香川大学の学生サイバー防犯ボランティアSETOKU等と連携したサイバーパトロールによるフィッシングサイトを閉鎖させる活動をはじめ、サイバーセキュリティ教室や最新の犯行手口の広報啓発活動など、県民の皆様が安全で安心して利用できるサイバー空間の実現に努めているところであります。  さらに、高齢者を中心に深刻な被害が続く特殊詐欺につきましては、犯行グループの徹底検挙はもとより、犯人からの電話を直接受けないための対策として、防犯機能付電話機の設置促進や、ストップ!ATMでの携帯電話運動を広く展開するほか、水際阻止の強化に向けた対策として、アドバイザーが金融機関等を個別に訪問して、防犯診断や被害が疑われる顧客への声かけ要領の助言を行うなど、官民一体となった被害防止対策を推進しております。  そのほか、子供や女性が犯罪被害に遭わないようにするため、制服警察官によるパトロールの強化や機動力を生かした移動交番車の開設、タイムリーな防犯情報の提供、住民が花の水やりなど日常生活の中で取り組むながら見守りの促進など、地域防犯力の強化に努めております。  県警察といたしましては、引き続き地域住民、自治体、事業者等との連携を一層強化し、地域社会が一丸となった犯罪防止対策に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。                         午前十一時三十九分休憩                         午後 一時  七分開議     ─────────────────────────────   出  席  議  員    高  城  宗  幸 君    新  田  耕  造 君    鏡  原  慎一郎  君    松  岡  里  佳 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    山  本  悟  史 君    谷  久  浩  一 君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    松  原  哲  也 君    広  瀬  良  隆 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    大  山  一  郎 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    西  川  昭  吾 君    石  川     豊 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事    浜  田  恵  造 君           副  知  事    西  原  義  一 君           病院事業管理者    太  田  吉  夫 君           審  議  監    大  山     智 君           政 策 部 長    淀  谷  圭三郎  君           総 務 部 長    椋  田  那津希  君           危機管理総局長    田  中  一  裕 君           環境森林部長     木  村  士  郎 君           健康福祉部長     三  好  謙  一 君           商工労働部長     寺  嶋  賢  治 君           交流推進部長     佐  藤  今日子  君           農政水産部長     新  池  伸  司 君           土 木 部 長    安  西     愼 君           文化芸術局長     小  川     剛 君           知事公室長      尾  崎  英  司 君           子ども政策推進局長  井  元  多  恵 君           会計管理者      小  川  秀  樹 君           病 院 局 長    岡  田  総  一 君           デジタル戦略総室長  井手下   慶  博 君           教  育  長    工  代  祐  司 君           公安委員会委員長   泉     雅  文 君
              警察本部長      今  井  宗  雄 君           代表監査委員     木  下  典  幸 君           監査委員事務局長   田  井  慎  二 君           人事委員会委員    平  尾  敏  彦 君           人事委員会事務局長  森  岡  英  司 君           労働委員会事務局長  河  内  一  裕 君           選挙管理委員会委員長 藤  本  邦  人 君    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)再開いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑・質問を続行いたします。  自由民主党議員会代表斉藤勝範君。    (斉藤勝範君登壇、拍手) ◯斉藤勝範君 私は、ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問させていただきます。  質問の第一点は、浜田県政の総括についてであります。  浜田知事は、平成二十二年の知事選挙に初出馬し、県民多数からの支持を得て当選され、以来、三期十二年にわたり県政運営のトップとして重責を担ってこられました。十二年前、我が自民党は、浜田知事の実直、誠実に全力で仕事をやり抜く気概と、中央官僚としての実績や識見など行政のプロとしての手腕に期待を込め、二期目、三期目には実行力と郷土発展への情熱を拝見し、香川県政を託す適任者として推薦してきました。任期は残すところ二か月余りとなりましたが、この間、険しく長い道のりを、県民のために全力を尽くして走ってこられましたことに対し、深く敬意を表したいと思います。  さて、この十二年間を振り返ってみますと、十二年前の我が国はリーマン・ショック後の経済低迷に苦しんでおり、国、地方はともに財政状況が悪化するなど、厳しさが増す世の中でありました。加えて、本県では生産年齢人口の減少と高齢化が全国に先行して進行し、地域活力の低下や地域経済の縮小が憂慮されていたところです。香川県に元気を取り戻し、県民が夢や希望を持つことができる環境をつくることが大きな課題であったと思います。  そして、浜田知事の就任後は、東日本大震災をはじめとする大規模地震の発生や毎年のように全国各地を襲った大規模な風水害に加え、鳥インフルエンザの発生、さらには新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大など、人々の生命や健康、財産が脅かされる事態が相次ぎ、県民の安全と安心に対する関心や重要度が大きく高まったところであります。そのほかにも、児童虐待や犬猫の殺処分、交通死亡事故など、県民生活の広範な分野で様々な課題が次々と取り上げられ、その対応に浜田知事は先頭に立って取り組まれました。  また、浜田知事の任期中、豊島産業廃棄物等の処理、県立中央病院の朝日町への移転、県庁舎東館の保存、農地集積やため池の耐震化、そして、懸案だった新県立体育館の整備などの取組にも、不偏不党の立場で県民各層や各市町、県議会の声に丁寧に耳を傾けながら、着実に前に進めていただいたのではないかと思っております。  そこで、平成から令和の時代にかけて、難所の多い県政の重要区間を走り続けてきた浜田知事にお伺いいたします。  知事は、これまでの県政運営をどのように総括されているのでしょうか。そして、次の走者に対し、どのように県政運営をバトンタッチしていくおつもりなのか、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の第二点は、瀬戸内国際芸術祭についてであります。  瀬戸内国際芸術祭は、「海の復権」をテーマに掲げ、二〇一〇年から四回にわたり、直島や豊島、小豆島など瀬戸内の島々と二つの港周辺を舞台として開催してきました。毎回、トップアーティストが島民やボランティアと協働し、瀬戸内の美しい景観や地域の特色ある資源を題材にアートプロジェクトを展開するとともに、世界中から訪れる人々が、島民やボランティア、アーティストとの交流を深めてきました。  そうした活動が評価され、イギリスのナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌において、二〇一九年に注目する旅行場所の一番目に、日本で唯一「瀬戸内」が選定され、芸術祭二〇一九が紹介されるなど、世界的なメディアの注目を集めたことで海外からの訪問者が増加し、来場者数は過去最高の約百十八万人となりました。そうした中で瀬戸芸二〇二二への期待が高まっていましたが、新型コロナウイルス感染症が長期化し、コロナ禍の中で開幕を迎えることになりました。  芸術祭の会場の多くは医療体制の脆弱な離島で、新型コロナウイルス感染症への十分な対応が求められることから、今年三月に、基本的な感染対策や島ごとの実情に応じた対策が盛り込まれた瀬戸内国際芸術祭二〇二二新型コロナウイルス感染症対策の指針が示されました。春会期は、この指針に沿った感染対策を講じながらの開催となりましたが、「瀬戸内の里海・里山の資源の発掘と発信」などの観点から新たなエリアでも作品が展示されたほか、運営面でも、デジタルパスポートの導入など新規の取組がなされたところであります。残念ながら来場者数は前回をかなり下回ったと聞いていますが、コロナ禍の中で、こうした新たな取組や感染防止対策を含め、開幕までの準備を整え、また、大きな混乱なく春会期を終えられたことには、一定の評価をしているところであります。  そして、現在では感染状況も少し落ち着きを見せており、また、今月十日からは海外からの団体ツアー客の受入れが解禁され、七月から高松空港等で国際線の発着を再開する方針も明らかにされたようですので、徐々に回復してくると思われるインバウンドも含め、夏会期には多くの来場者で再び瀬戸内の島々がにぎわうことを期待したいと思います。  そこで、春会期を終え、新型コロナウイルス感染症対策を含めて、どのような成果あるいは課題があったのか、また、それを踏まえて、夏会期に向け、どのように対応していくおつもりなのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三点は、県税に係る税務手続のデジタル化についてであります。  新型コロナウイルス感染症の拡大により社会が変容する中、多様な分野でデジタル化の取組が進められる一方で課題も浮き彫りとなり、そうした課題に対応するため、国において令和二年十二月に、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針が策定されました。その中には、デジタル社会の目指すビジョンとして、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」が掲げられており、このような社会を目指すことは、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を進めることにつながると考えます。  県においても、令和三年十二月に「安心・便利・豊か 人が主役のデジタル社会・かがわの形成」を基本理念とするかがわデジタル化推進戦略を策定し、生活分野のデジタル化、産業分野のデジタル化、行政分野のデジタル化などの取組を推進して、本県の様々な地域課題の解決を図っていこうとしています。  このうち行政分野のデジタル化においては、出納事務のデジタル化により行政手続に伴う県民の手間や負担の解消を図り、県民の利便性を向上するため、デジタル化・オンライン化を一層推進することを掲げており、その目標として、県民にとってより身近な手続である県税の納付について、キャッシュレス納付率を令和二年度の一三・二%から令和七年度までに五〇%に引き上げるとしています。  税務手続のデジタル化については、県内市町では、スマートフォン決済の導入など取組が進められていると承知しています。県税についても、令和元年度に稼働した税務システムにおいて、地方税ポータルシステム、いわゆるeLTAX(エルタックス)に対応し、オンラインでの申告・納税手続が可能となっています。また、スマートフォン決済での納付も可能とするなど、様々な方法によるデジタル化の取組が進められていると認識しています。  そこで、県税のキャッシュレス納付率の目標達成に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第四点は、瀬戸内海の環境保全についてであります。  瀬戸内海は、大小百十余りの島々が多島美を織りなし、世界の宝石と称されるように、日本のみならず世界に誇れる景勝地であるとともに、古くから県民の生活と密着し、人と自然が共存してきました。また、高度成長期には、人口増加、産業集積、埋立てや開発等により瀕死の海と呼ばれるほど水質汚濁が進行していましたが、その後、瀬戸内海環境保全特別措置法等に基づく水質総量規制や合併処理浄化槽の設置等による生活排水対策などに取り組んできた結果、水質については一定の改善が見られているところです。  その一方で、瀬戸内海の一部の海域では、透明度が上がるとともに窒素やリンといった栄養塩類の不足等により、ノリの色落ちなど生物や水産資源への影響が見られ、開発等による藻場・干潟の減少、また、プラスチックなどの海ごみが生態系を含む海洋環境へ与える悪影響についても課題として明らかになっております。  このような状況を背景に令和三年六月に改正された瀬戸内海環境保全特別措置法では、従来の水質規制を中心とする水環境行政の大きな転換を図る契機として、関係府県知事が策定する計画に基づき、特定の海域への栄養塩類供給を可能とする制度が新たに導入されるなど、瀬戸内海における生物多様性や水産資源の持続的な利用の確保を図り、地域資源を活用した里海づくりを総合的に推進するものとなっております。  本県では、以前から全国に先駆けて、香川の地の利を生かした香川ならではの里海づくりに取り組んできたところであり、里海について理解を広げ、里海づくりを牽引する人材を育成するためのかがわ里海大学や、漁業者、市町、県の協働による香川県方式と呼ばれる本県独自の海底堆積ごみ回収・処理システムなど、山・川・里(まち)・海のつながりを考えながら、海域・陸域を一体的に捉えた様々な事業を実施してきました。  そこで、今回の改正瀬戸法では、さきに述べたとおり関係府県知事が栄養塩類の管理に関する計画を策定できる制度が創設されましたが、この制度に対する考え方も含めて、今後、県としてどのように里海づくりを進めていこうとしているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第五点は、自殺対策についてであります。  平成十年以降、十四年連続して三万人を超える状態が続いていた我が国の年間自殺者数は、平成十八年に制定された自殺対策基本法や自殺総合対策大綱に基づく国、地方公共団体、医療機関、支援機関など関係者による取組が進められてきた結果、平成二十四年には三万人を下回り、その後二万人台で推移しており、一定の成果を上げてきたと言えます。  しかしながら、我が国の自殺者数は決して楽観できない状況にあります。警察庁の自殺統計によりますと、令和三年の全国の自殺者数は、前年の二万一千八十一人から七十四人減って二万一千七人でしたが、年代別では二十代が前年から九十人増えて二千六百十一人、五十代が百九十三人増えて三千六百十八人となっており、小・中・高生の自殺者数は四百七十三人で、前年に次ぐ過去二番目の多さでした。また、最近では芸能界での自殺のニュースを耳にすることもあり、お亡くなりになられた方には心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  本県では、同統計によりますと、令和三年の自殺者数が前年より一人増加して百五十三人で、横ばい状態となっています。全国と本県の傾向は少し異なりますが、コロナ禍により生活環境が変化し、経済生活や就労に影響を及ぼしていることが危惧されており、生活が苦しく追い込まれる中で、自殺者数が高止まりしている深刻な状況であります。  自殺の原因は、経済問題、健康問題、家庭問題など様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。このため、自殺対策は生きにくさを取り除くための支援であり、自殺を防ぐためには、精神保健的な視点だけでなく、社会・経済的な視点を含む包括的な取組が重要となります。また、生活困窮者自立支援制度や孤独・孤立対策、子供への支援策、地域共生社会の実現に向けた取組といった各種施策との連携を図ることにより、自殺を防ぐための包括的な支援につなげていくことも必要であると考えます。  このような中、政府は今年度、自殺総合対策大綱の見直しを予定しており、その中で新型コロナウイルス感染症対策としての生活支援の拡充や、個々の悩みの背景にある孤独・孤立対策にも注力するようであります。  そこで、従来、本県で行ってきた自殺対策に加え、コロナ禍における自殺対策の必要性なども踏まえて、県として自殺対策の現状をどのように捉え、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第六点は、働く女性の活躍推進についてであります。  本県の人口は急速な減少局面を迎え、年少人口や生産年齢人口の減少が見込まれる中、本県の有効求人倍率は平成二十三年八月以降、一倍を超える状況が続いています。新型コロナウイルス感染症の影響があるものの、人材不足となっている県内企業は多く、本県経済の持続的発展を図るためには労働力の確保が課題であり、特に女性の職業能力の発揮が求められています。  そのような中、本県の働く女性の状況を見ますと、平成二十九年就業構造基本調査の結果では、過去一年間に前職を離職した女性のうち、「出産・育児のため」に離職した者の割合が、全国の六・九%に対して香川県が九・三%と最も高くなっており、出産・育児等を理由に離職する女性が多くなっています。また、管理的職業従事者に占める女性の割合は、全国平均を上回っているものの、上位県の二〇%以上には届いておらず、一五・四%にとどまっています。加えて、県が令和二年度に実施した企業等実態調査では、企業における女性の管理職の登用について、「進める予定はない」が最も高くなっており、女性が十分に能力を発揮できるような状況になっていないのではないかと考えられます。  一方、国においては、人材投資の見える化を図る観点から、企業に対し育児休業の取得率や女性管理職の比率を公表するよう義務化する動きがあり、企業は誰もが働きやすい職場環境の整備や女性登用への意識改革が欠かせなくなってきています。  このように生産年齢人口の減少が見込まれる中、柔軟で持続的な社会を築くためには、女性の力が働く場面において十分に発揮できるよう社会全体で取り組んでいく必要があります。  本県では、女性活躍推進法に基づき平成二十九年に策定したかがわ働く女性活躍推進計画が令和二年度末で終了したことに伴い、これまでの取組の検証や新たな課題を踏まえ、令和三年度からの五年計画である第二次かがわ働く女性活躍推進計画を昨年十一月に策定したところです。  そこで、本県では、働く場における女性の活躍推進に向け、これまでどのような施策を実施してきたのか、また、新しい第二次計画に基づき、今年四月から施行された育児・介護休業法の改正等も踏まえ、今後どのようなことに取り組もうとしているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第七点は、今後の県産品の海外販路開拓についてであります。  本県には、オリーブ牛やオリーブハマチ、イチゴ、小原紅早生など瀬戸内の温暖な気候と風土の下で育まれた農畜水産物や讃岐うどん、しょうゆなど、全国に誇れる高品質で魅力的な県産品が数多くそろっています。こうした県産品の振興に取り組むことは、事業者の経営基盤の安定化や県内産業の発展、雇用の場の創出にもつながります。  しかし、人口減少が進む中、将来的には国内市場が縮小することが予想され、県内事業者の持続的発展を図るためには、経済成長を続ける近隣のアジア諸国をはじめとする海外の市場をターゲットとした取組を重点的に進めることが重要であります。このため、政府においては、二〇三〇年までに農林水産物及び食品の輸出を五兆円とすることを目標として、オールジャパンでの取組の強化が図られています。  本県においては、平成十九年度にマレーシアでイチゴやキウイフルーツ等のフェアを実施したのを皮切りに、県内産地へのバイヤーの招聘、見本市・商談会への参加、また、知事自ら先頭に立ったトップセールスなどを通して、海外における県産品の販路開拓に取り組んできたところです。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、人の移動制限や輸送コストの増加など、経済的に大きな影響を受けましたが、我が国においても出入国制限が徐々に緩和されるなど、社会経済活動の回復に向けた取組が進んでおります。こうした中、県産品の海外への販路をさらに拡大していくためには、海外市場で求められる産品を継続的に生産し、海外へ販売できる体制の整備が重要です。  二月定例会の我が会派の代表質問において、生産体制の整備については、輸出に挑戦する生産者等を育成し、輸出に向けた産地づくりを促進することで、海外需要を踏まえた生産の拡大や経営の安定化を図ると答弁されましたが、販路開拓についても、今まで以上に積極的に取り組むことが重要であると考えます。  ウクライナ情勢や世界景気の動向など先行き不透明な要素はありますが、今後、地域間競争に打ち勝ち、県産品の振興をより一層図っていくためには、社会情勢の変化を的確に捉え、いわゆる攻めの姿勢も必要になってくるのではないかと思います。  そこで、より一層の県産品振興のため、海外への販路開拓について、県として今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第八点は、施設園芸におけるスマート農業の取組についてであります。  本県農業を取り巻く環境は、農業者の減少や高齢化、農産物価格の低迷、耕作放棄地の増加、グローバル化の進展による地域間競争の激化など、様々な要因が相まって大変厳しい状況にあります。こうした中、本県の農家一戸当たりの耕地面積は約一ヘクタールと狭小であるものの、温暖で集中豪雨や台風などの気象災害が比較的少ない立地条件の下、県オリジナル品種をはじめとする高品質で特色のある県産農産物が数多く栽培されており、中でもイチゴの「さぬき姫」などの園芸作物については、京阪神など都市部に近い立地を生かし、集約的で収益性の高い施設園芸に取り組まれているところであります。  しかしながら、施設園芸の生産基盤となる農業用温室の価格は、鉄骨などの資材や施工費の上昇を背景に近年大幅に値上がりしているほか、温室内の温度管理を行うための重油などの燃油についても、円安や不安定な国際情勢の影響により価格が著しく上昇しており、施設園芸において新規就農や規模拡大につながりにくい状況になっております。  県は、昨年十月に策定した香川県農業・農村基本計画において、計画の基本方針の一つとして「儲かる農業の推進」を掲げております。「儲かる農業」を実現するための手法として、近年、デジタル技術やデータを活用したスマート農業の取組が進められておりますが、スマート農業を効果的に実装していくためには、これに適した品目をうまく選定する必要があります。例えば、冬期の加温や換気などきめ細かな環境制御により、収量の増加や高品質化が期待できるものとして、イチゴやミニトマトなどの収穫期間の長い施設園芸作物は有効だと考えます。  本県では、これまで、イチゴなどの施設園芸で栽培環境データを生かして効率的に生産できるシステムの開発・実証に取り組んできたところですが、より一層の収益性の向上を目指すには、こうしたデジタル技術等を活用したスマート農業を積極的に普及させるとともに、生産現場のニーズに対応した技術改良などに継続的に取り組んでいくことが重要であると考えます。  そこで、本県農業で重要な施設園芸において、スマート農業の取組を進めるために県として今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第九点は、風水害対策についてであります。  近年は気候変動の影響により、平成三十年七月豪雨、令和元年東日本台風、令和二年七月豪雨など、全国で毎年のように大規模な風水害が発生しております。特に、令和二年七月豪雨では、梅雨前線が長期にわたって日本列島付近に停滞し、同じ地域に大雨を降らせる線状降水帯によって、九州、東海地方、東北地方の多くの地点で降水量が観測史上一位となる記録的な大雨となり、各地で甚大な被害が発生しました。  本県においては、近年、大規模な風水害は発生していないものの、昨年は七月七日夜から八日にかけて中讃地域を中心に雷を伴った大雨があり、多度津で三時間降水量が百二ミリと観測史上最多を更新し、河川の護岸崩壊や道路冠水などの被害が発生しました。このように、近年、全国各地で風水害が頻発化・激甚化しており、本県においても、いつ大規模な風水害に見舞われてもおかしくない状況にあります。  県では、「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」実現計画の三つの基本方針の一つである「安全と安心を築く香川」の実現に向け、大規模な風水害から県民一人一人の命を守るため、ハード、ソフト両面での総合的な防災・減災対策を計画的に進め、地域防災力の一層の向上に努めることとしています。  その具体的なものとして、河川、下水道等の管理者が主体となって行う対策に加えて、流域全体のあらゆる関係者が協働して行う流域治水に取り組み、河川改修や砂防ダムの整備、農業施設における田んぼダムなどのハード対策と、住民の避難に関する水害リスク情報である洪水浸水想定区域図や高潮浸水想定区域図の公表や、危機管理型水位計や河川監視カメラなどの河川情報を県ホームページで公表するなどのソフト対策の両面から、総合的かつ一体的に推進すると伺っています。  そこで、これから大雨のシーズンを迎えるに当たり、風水害対策にどのように対応していくのか、流域治水の実効性を高めるハード、ソフト両面の取組について知事にお伺いいたします。  質問の第十点は、本県開催の全国大会を契機としたスポーツ振興についてであります。  昨年開催された東京二〇二〇オリンピック大会では、本県から過去最多の七人の選手が出場しました。本県選手の活躍や、様々な競技の中継や結果が連日報道されたこともあり、県民のスポーツへの関心が高まったところであります。こうした中、今年度は高校スポーツにおける最大の祭典である全国高等学校総合体育大会四国インターハイが、そして来年度には全国中学校体育大会が、それぞれ四国四県で開催され、県内でも多くの競技が行われるなど、全国大会が続くことから、オリンピックで高まった機運を県内で継承し、拡大していく絶好の機会であると考えます。  一方、新型コロナウイルス感染症の拡大から二年以上が経過した現在も、その収束は見通せない状況にあります。こうした全国大会の開催準備はもとより、出場に向け頑張る県内の高校生の練習を後押しするため、学校の部活動においても感染症対策の徹底を図り、存分に力を発揮できる環境を整えることが何より求められています。  とりわけ、開催がいよいよ来月に迫ったインターハイについては、大会が一昨年度は中止、昨年度は無観客での開催となったこともあり、全国の高校生は、今年の大会に並々ならぬ思いを持って四国にやって来ることと思います。こうした思いに応えるためにも、教育委員会には各開催地の市町や競技団体等と緊密に連携を図り、大会の準備に万全を期していただきたいと思います。  また、コロナ禍の二年余りの間、競技力の向上やスポーツに親しむことが思うようにできなかった方も多いのではないかと思います。各世代のトップ選手がそろうインターハイなどの全国大会が地元で開催されることは、大会に参加する本県選手やその参加を目指すジュニア世代の選手にとって競技力の向上につながることはもとより、大会を身近に感じることができる県民の皆様にとっても大きな刺激となり、スポーツへの意識を高めることや、参加を促すよいきっかけになるのではないかと考えます。  そこで、四国インターハイの開催に向けた準備状況と、コロナ禍における部活動の対応について教育長にお伺いいたします。  また、こうした全国大会を契機としたスポーツ振興に今後どのように取り組んでいくのか、併せてお伺いいたします。  質問の第十一点は、交通死亡事故の抑止についてであります。  本県における昨年の交通事故による死者数は三十七人と、第一次交通戦争と呼ばれた昭和三十年代以降、初めて死者数が四十人を下回りました。知事は、就任当時、交通事故によって毎年多くの貴い命が失われているという現状に苦心され、県民の命を守るという視点で危機管理総局を創設し、防災と並び交通死亡事故抑止にも非常に熱心に取り組んでこられました。また、平成二十九年には香川県自転車の安全利用に関する条例を制定するなど、自転車の交通安全対策にも積極的に取り組んでこられました。さらに、特筆すべきは、交通死亡事故の抑止を県政における喫緊の課題と位置づけ、各種イベント等での挨拶で、必ず、直接参加者に対し、交通事故抑止を訴えてこられたことであります。まさに知事が自ら先頭に立って、警察本部はもちろん、関係団体等とも連携を図りながら、広報啓発活動や交通安全教育、交通指導取締り、交通事故の起きにくい交通環境の整備などの対策を積み重ねてこられたものと理解しています。  そこで、これまでの交通死亡事故抑止に向けた取組の成果について、現状を踏まえ、どのように捉えられているのか、知事にお伺いいたします。  一方で、全国で交通事故による死者数は着実な減少傾向を示しており、人口十万人当たりの死者数を見ると、昨年は全国ワースト三位と、依然として全国ワースト上位からの脱却は実現していません。交通事故の少ない安全で安心な香川の実現を目指すには、本県の実情を踏まえた効果的な取組をより一層強化することが重要と言えます。  昨年の交通事故死者数を年齢別で見ると、高齢者が二十二人と約六割を占めており、高齢化のさらなる進展が予想される中、高齢者を中心とした交通安全対策は今後も重要な柱になると考えられます。  また、自転車の保有率が高いと言われる本県では、人口十万人当たりの自転車事故による死者数についても、一昨年、昨年と二年連続で全国ワースト一位になるなど極めて厳しい状況であり、ヘルメットの着用など、自転車利用者の交通安全意識や交通マナーの向上を含めた自転車事故対策も課題であると言えます。  ほかにも、依然として歩行者が犠牲となる事故や、シートベルト非着用による事故が発生している現状も踏まえて、交通死亡事故抑止にどのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。  以上で香川県議会自由民主党議員会を代表しての質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)自由民主党議員会代表斉藤議員の御質問にお答えいたします。  まず、県政運営の総括についてでありますが、ただいま過分なお言葉をいただき恐縮しております。私は十二年前、真鍋前知事からのたすきを受け継ぎ、着々寸進、洋々万里の気概を持って、先人のたゆみない努力と情熱によって築かれた県政の礎を引き継ぎ、さらに発展させることにより、せとうち田園都市を創造するという理念の下、「信頼・安心」、「成長・元気」、「笑顔」を旗印として、郷土香川の飛躍を目指し、県議会の御理解を賜りながら、これまで様々な施策に取り組んでまいりました。  具体的には、一昨年来、世界的規模で感染が拡大する新型コロナウイルス感染症の検査・医療提供体制の確保、社会経済活動との両立をはじめ、鳥インフルエンザ対策及び香川県独自の計画に基づく海岸堤防やため池等の耐震化、自主防災組織の強化による地域防災力の向上などの防災・減災対策、国に先駆けて実施した保育料免除の拡大等による「子育て県かがわ」の実現、県立中央病院の移転整備や医療情報ネットワークK─MIXの推進、ドクターヘリの導入などによる、より安心できる医療の確保に力を尽くすとともに、豊島廃棄物等処理事業の着実な推進、水道事業の統合・広域化に全力で取り組んでまいりました。また、交通死亡事故対策、動物愛護の推進にも努めてまいりました。さらに、Setouchi─i─Base(セトウチ・アイ・ベース)を拠点とする情報通信関連産業の育成・誘致や県内大学の魅力づくり支援による若者の県内定着促進、トップセールスによる香川ブランドの創造や「うどん県。それだけじゃない香川県」のアピール、オリーブ牛などの県産品振興、国際航空路線の拡充などを通じた地域の活性化と交流人口の拡大、土地改良事業や香川用水の老朽化対策による農業生産基盤の整備促進のほか、小・中学校全学年での三十五人学級の実現による教育の充実などに積極的に取り組んできたところであり、新県立体育館も着工いたしました。  一方、こうした施策の着実な推進を図りながら、県財政の状況を踏まえ、持続可能な財政構造への転換を図るため、財政運営指針等を策定し、計画的な財政運営にも努めてまいりました。  私といたしましては、こうした施策を通して、子供からお年寄りまで全ての人が安心して健やかな日々を過ごし、活力に満ちあふれ、笑顔で生き生きと暮らすことのできるせとうち田園都市の創造に向けた歩みを前に進めることができたのではないかと考えております。  私は、さきの二月定例会において、県政運営のたすきを次の新しい走者につないでいくことが、県政の一層の発展に資するものであると考えるに至った旨申し上げました。県政には、私の任期を超えても中長期的に取り組まなければならない課題や、社会情勢の変化に伴い生ずる新たな課題も山積しており、こうした諸課題に対して、財政規律の確保にも意を用いながら取り組んでいく必要があると考えております。  具体的には、長期的な展望の下で人口減少問題の克服と地域活力の向上を図ることをはじめ、新型コロナウイルス感染症について収束に向かう筋道をつけることや、防災・減災対策としてのハード整備を計画的に進めることなどとともに、地域の持続的な発展を図る上で対応が必要なデジタル化や脱炭素の推進、二〇二五年大阪・関西万博と連携した取組や万博で実用化される「空飛ぶクルマ」のような新しい技術の活用に向けた取組など、本県の将来の発展のために機を逸することなく進めていく必要があるものについて、全庁的な共通認識を持ち、組織一丸となって、新しく幅広い、そして何よりも県民の皆様の視点に立って構想し、実行することの重要性を改めて強調したいと考えております。  私といたしましては、こうした考えの下、残る任期いっぱい県政の諸課題に対して誠心誠意、全力で取り組むことにより、次の走者へのたすきを円滑につないでまいりたいと考えております。  次は、瀬戸内国際芸術祭についてであります。  春会期は、本年四月十四日から五月十八日までの三十五日間、沙弥島を含む八つの島と二つの港周辺を会場に、百四十三のアート作品と九つのイベントを展開しました。今回は、インバウンドの状況や連休中の曜日の配列が前回と異なっていたこと、スロースタートを意識した開幕としたことなどから、来場者数は前回を下回りましたが、直島や女木島、沙弥島などの新規作品を中心に、県内外からの大勢の方々でにぎわいました。また、運営面では、作品鑑賞パスポートのデジタル化や一日または二日間限定のデイチケットの導入など新たな取組を行いましたが、作品受付などで大きな混乱もなく、おおむね順調なスタートを切ることができました。
     新型コロナウイルス感染症対策につきましては、飛沫の抑制や手洗い・消毒、換気などの基本的な対策はもとより、島ごとの状況に応じた検温・体調確認等の徹底、島内で有症状者が発生した際の対応などについて、本年三月に策定した感染症対策の指針に沿って適切に対応できたものと考えております。  春会期の課題といたしましては、コロナ禍で作品制作が遅れたことや開幕前の時期に感染状況が厳しかったことから、会期中の感染対策に関する周知を含めて早い段階から十分な広報活動を行えなかったことが挙げられます。  夏会期からは、屋島山上交流拠点施設の建物部分がオープンするほか、男木島や小豆島、大島などでも、これまでの芸術祭で人気作品を手がけてきたアーティストや著名な建築家等の新規作品を公開することとしております。また、春会期を終えた直後から夏会期に向けた広報を開始しており、公式ウェブサイトやSNS、パブリシティーを活用し、注目の新規作品やイベントなどのほか、検温等の感染対策の取組などについて、国内外への発信をより一層強化してまいります。  私といたしましては、夏会期に向けても、島民や来場される皆様の安全・安心に意を用いていくことを基本に、インバウンドを含めた今後の状況変化にも柔軟に対応しながら万全の態勢で取り組み、本県の活力向上や発展につなげてまいりたいと考えております。  次に、県税に係る税務手続のデジタル化についてであります。  AIやIoTなどの新たなデジタル技術の進展に伴い、一人一人のニーズやライフスタイルに合った様々なサービスが提供されている中、行政分野においてもデジタル化を進めることが重要と認識しております。特に県民の皆様にとって身近である県税に係る税務手続について、デジタル化を推進することは、利便性の向上につながると考えております。  議員御指摘のとおり、県税の納付手段としてインターネットを通じて簡単に納税できる地方税ポータルシステム、いわゆるeLTAX(エルタックス)があり、その運用を令和元年十月から開始し、法人関係税や個人住民税の特別徴収分など、順次対象税目を拡大してきております。  また、令和二年十一月にはPayPay及びLINE Payによるスマートフォン決済を導入し、さらに昨年十月からはau PAY、d払い、J─Coin Payの追加による納付方法の拡大を行っております。  このような取組の結果、昨年度の県税のキャッシュレス納付率は二四・九%となり、令和二年度実績から一一・七ポイントの増となりました。スマートフォン決済による県税の納付につきましては、時間や場所の制約がなく、納税者の利便性向上に大きく寄与することから、県税の納付件数の八割強を占める自動車税について、来年度からQRコード決済による納付方法を新たに追加することとし、現在、税務システムの改修を進めております。  県におきましては、県税の納付手段のキャッシュレス化の拡大等により、県民の皆様の手間や負担の解消を図ることで県民サービスのより一層の向上に努めるとともに、税務手続のデジタル化の推進に積極的に取り組んでまいります。  次は、瀬戸内海の環境保全についてであります。  県では、瀬戸内海における多くの課題に対応するため、平成二十五年に策定したかがわ「里海」づくりビジョンの下、「美しい海」、「生物が多様な海」、「交流と賑わいのある海」の実現を目指し、全県域で意識醸成や人材育成をはじめ、里海づくりにつながる幅広い取組を展開しています。  このうち、里海づくりを牽引する人材育成を担うかがわ里海大学につきましては、平成二十八年度から実施しており、延べ二千六百名を超える修了者の中には地元で海ごみの清掃活動イベントを企画する方も出てくるなど、自発的な里海づくり活動が地域に広がりつつあります。今後は、活動者同士の連携の強化や参加者の裾野の拡大を図っていくほか、地域に根差した活動として里海づくりをさらに定着させるための取組についても、市町等と意見交換を行いながら検討してまいりたいと考えております。  こうした中、昨年改正された瀬戸内海環境保全特別措置法では、議員御指摘のとおり、栄養塩類の管理制度が新たに創設され、知事が策定した計画に基づき、地域の実情に応じて一部の海域への栄養塩類の供給を可能とすることで、生物の多様性や水産資源の持続的な利用の確保を図ることとしており、本県が目指す里海づくりを推進する上でも有用な制度であると考えております。一方で、導入に当たっては、瀬戸内海全体の水質を管理する水質総量削減制度との調和・両立や、本県の漁業形態等を考慮した適用方法などについて、国や地元市町、漁業関係者等と十分調整を行う必要があることから、制度の趣旨を丁寧に説明し、理解を得ながら、計画策定に向けた検討を進めてまいります。  瀬戸内海においては、海洋プラスチックごみなど依然として多くの課題があり、本県がこれまで進めてきた取組の成果を生かしつつ、各市町や関係団体とも連携して、山・川・里(まち)・海をつなげる香川ならではの里海づくりをより一層推進してまいります。  次に、自殺対策についてであります。  本県の自殺者数は令和元年から増加しており、長期化するコロナ禍が経済問題や健康問題などに影響を与え、今後も自殺者数の増加が懸念されますことから、自殺対策は喫緊の課題と認識しております。  このため、県では、本年一月からコロナ禍における相談支援の充実を図るため、日常的なコミュニケーション手段として広く利用されているSNSを活用した相談支援を毎日十七時から二十二時まで実施しており、これまでに月平均百二十件ほどの相談に応じているところであります。  このほか、精神保健福祉センターや保健所での各種相談、香川いのちの電話協会などの民間団体が行う活動への支援、市町等相談窓口担当者への研修により、相談しやすい環境の整備を図ったほか、新聞・ラジオ・ウェブ広告等により、心に不安を抱える方や、その周囲の方を早期に相談につなげるための啓発活動を行ってまいりました。  また、若い世代の方に心のケアに関する知識を持ってもらうため、小学校、中学校、高等学校において出前講座を開催しており、昨年度は三十校で実施し、今年度も三十三校を予定しております。  さらに、包括的な取組を推進するため、保健、医療、福祉、労働などの関係機関や民間団体などで構成する香川県自殺対策連絡協議会において、各主体の取組の進捗管理や施策の検証、自殺対策の総合的な実施対策を検討しているほか、平成二十九年度に策定したいのち支える香川県自殺対策計画の見直しを今年度中に行うこととしており、コロナ禍が自殺に及ぼす影響にも留意しつつ、来年度からの五年間の重点施策や数値目標について設定したいと考えております。  今後は、これらの施策を着実に実行するとともに、次期自殺対策計画の策定を進める中で、より一層の包括的な取組を推進してまいります。  次は、働く女性の活躍推進についてであります。  生産年齢人口の急速な減少による労働力不足への適切な対応は本県の喫緊の課題であり、議員御指摘のとおり、働く意欲のある女性がその能力を十分に発揮し、働き続けられる社会の実現を目指すことは、本県経済の持続的な発展のために大変重要と考えております。  このため、県では、県内中小企業等へアドバイザーを派遣して、働きやすい職場環境の整備等企業の働き方改革を支援するとともに、女性活躍推進に向けた目標や取組を企業が自主的に宣言するかがわ女性キラサポ宣言制度を県独自に設け、その成果が認められる企業を表彰するなど、普及啓発に努めてまいりました。  こうした女性活躍推進の取組を進める一方、コロナ禍による社会環境の変化等の新たな課題を踏まえ、県内の関係団体や学識経験者等で構成するかがわ働く女性応援会議を開催し、昨年十一月に第二次かがわ働く女性活躍推進計画を策定いたしました。  県では、これまでの取組に加えて、今年度は新たに、女性の就業継続や人材育成をサポートする女性先輩社員をいわゆるメンターと位置づけ、将来の管理職等への登用も視野に入れ、企業内でメンターを育成・活用するメンター制度について、企業経営者等を対象にその導入メリット等を伝える研修を実施し、企業から推薦を受けたメンター候補者に対する基礎研修やフォローアップ研修を行います。  さらに、育児・介護休業法の改正を踏まえ、男性の育児休業等の取得を支援することとし、県内企業における男性の育児休業等取得事例を紹介するリーフレットを作成して、若い世代が希望する子育てができるよう普及啓発を図り、今後とも働く女性が輝く社会の実現に向け、男女を問わず、誰もが働きやすい環境づくりの推進について積極的に取り組んでまいります。  次に、今後の県産品の海外販路開拓についてであります。  県では、これまで海外のバイヤー等を招聘した商談や現地での香川県フェア等を実施し、私自ら現地に赴き、先頭に立ってセールスを行うなど、県産品の海外での販路開拓を積極的に進めてまいりました。  また、コロナ禍においても、現地企業による代理営業の拡大に努めるほか、リモートによる現地バイヤー等との商談を重ねており、昨年九月には、新たにシンガポールの大手日系食品スーパー向けにシャインマスカットやレタスなどの青果物の輸出を開始したところであります。また、昨年十二月には、本県の産地を訪問できないオランダとスペインの盆栽バイヤー向けにオンライン商談会を開催したほか、四国四県で連携して中国の消費者を対象とした越境ECサイトを開設し、県産品の販売支援を行うなど、オンラインでの販路拡大にも取り組んでおります。  一方で、時機を逸することなく、対面により県産品の魅力を直接伝える活動を行う必要もあることから、EUへのクロマツ盆栽の本格的な輸出に向け、オランダで開催されている世界最大級の国際園芸博覧会へ県内の盆栽生産者と県職員を派遣し、クロマツ盆栽等の展示や生産者によるデモンストレーションを行ったところであり、現地バイヤーからは産地への訪問を強く希望されるなど、輸出拡大に弾みがつくものと期待しております。  今後は、引き続き社会経済情勢の変化を的確に捉え、かがわ県産品振興機構や関係団体との緊密な連携の下、オンラインの有効活用や海外での営業活動の再開などにより新たな販路開拓に取り組むことで、より一層の県産品振興につなげてまいります。  次は、施設園芸におけるスマート農業の取組についてであります。  議員御指摘のとおり、施設園芸におけるデジタル技術等を活用したスマート農業の導入は収益の増加を図る上で有効であり、県では、イチゴやミニトマトについて、栽培環境データを活用した環境制御システムの開発・実証や普及を進めております。中でも、イチゴについては、遠隔操作により温度や二酸化炭素濃度などのモニタリングと制御を行うことのできる本県独自の環境制御システム、さぬきファーマーズステーションを開発し、これまで生産現場に二十八台が導入され、導入した農業者の中にはシステムから得られたデータを基に改善を図り、収量の増加につなげる者も見られるなど、システムの有効性も認められてきたところであります。  そこで、本システムのより一層の普及に向け、本年三月、県をはじめ農業者やJA香川県等を構成員とするさぬきファーマーズステーション推進協議会を設立したところであり、今後、本協議会を通じて活用の効果やメリット等を周知するほか、生産現場のニーズを把握し、システムの機能強化も図っていく必要があると考えております。このため、既に生産現場から得られたニーズを基に、今年度は、新たに国の事業を活用して湿度のモニタリングと制御の機能を追加するとともに、ミニトマトに導入されている自動走行によるロボット防除機について、イチゴにも活用できるよう開発・実証を進めることとしております。  このように社会全体でデジタル化が進む中、農業分野においてもデジタル技術を活用して農業生産の安定化が図られるよう、生産現場の実情に即して技術の開発と普及を一体的に図り、スマート農業の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、風水害対策についてであります。  県では、昨年八月に策定した香川県流域治水プロジェクトに基づき、ハード、ソフト両面から流域治水に取り組むこととしており、このプロジェクトでは様々な対策を三つに分類した上で、目標達成に向け設定したロードマップに沿って、各実施主体が十分に連携しながら、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策に基づく国の予算などを活用して推進することとしております。  具体的には、まず、「氾濫をできる限り防ぐ・減らすための対策」としては、国の個別補助事業を活用した河川改修や砂防ダムの整備をはじめ、今年度から新たに創設されたメンテナンス事業による河川や砂防施設などの老朽化対策を実施するほか、防災・安全交付金を活用した河道掘削や樹木伐採などをより一層推進してまいります。  次に、「被害対象を減少させるための対策」としては、各市町が定める立地適正化計画の中で、災害リスク分析を踏まえた居住誘導区域の設定や、その区域内の安全確保策等を定める防災指針を作成するなど、水災害リスクのより低い区域への誘導に取り組むこととしております。  さらに、「被害の軽減、早期復旧・復興のための対策」としては、県民の皆様の適切な避難行動につながるよう、平時の水害リスク情報として提供している洪水浸水想定区域図に関し、先月新たに水位周知河川に指定した柞田川やダム下流の十六河川について公表したほか、来月末までにダム下流の残る五河川も公表することとしておりまして、さらに、その他の小規模な河川についても、浸水が想定される範囲の人口・資産等により優先順位をつけて作成し、今後、順次公表することとしております。  また、土砂災害に関しては、国が平成三十年七月豪雨の被災地域で実施した調査によると、土砂災害警戒区域等が住民等に十分認識されていなかったとの結果も示されていることから、本県においては警戒区域等の認知度向上のため、国の防災・安全交付金を活用し、昨年度から、まず小豆地区において、土砂災害警戒区域等を表示した看板を公民館等に設置する取組を開始しており、今後、県内の他の地域においても順次設置を進めていく予定としております。  これらの取組につきましては、水害や土砂災害による被害を軽減するための対策を総合的かつ一体的に推進することを目的に、国や各市町等と設立している香川県大規模氾濫等減災協議会で情報を共有し、その実効性を高めることとしており、県民の皆様一人一人の命を守るため、流域治水に積極的に取り組み、災害に強い香川づくりを推進してまいりたいと考えております。  最後は、交通死亡事故の抑止についてであります。  私が知事に就任した当初、平成二十三年の県内の交通事故の発生件数は一万一千二百十三件と非常に高い水準にあり、また、交通事故死者数についても、減少傾向にあったものの七十六人で、人口十万人当たりでは全国ワースト一位という非常に憂慮すべき状況となっておりました。私は、こうした本県の交通事故の状況を大きく改善させるためには、関係機関が相互に連携し、より効果的に交通安全対策を実施していく必要があると考え、平成二十四年四月、防災局を再編し、交通安全対策の総合調整を担う組織として、危機管理総局にくらし安全安心課を設置し、県警察や国、各市町、関係団体等と密接に連携・調整を図りながら、ハード、ソフト両面から様々な対策を推進してまいりました。  具体的には、本県の交通事故の特徴を踏まえ、交差点改良やカラー舗装化、用水路等への転落事故防止対策などの交通環境整備、全国初となる高齢者ASV(先進安全自動車)購入補助制度の創設、香川県自転車の安全利用に関する条例の制定などに取り組むとともに、県警察、各市町、関係団体等と協力しながら、街頭運動をはじめ交通安全教室や出前講座の開催など、積極的な広報・啓発活動に取り組んでまいりました。  こうした取組の結果、交通事故の発生件数は年々着実に減少し、昨年は三千二百八十七件と平成二十三年当時の約三割に、死者数は約半数の三十七人となるなど、全国平均を上回る減少となっており、一定の成果は現れているものと考えておりますが、人口十万人当たりの交通事故死者数については全国ワースト三位と、依然として厳しい状況にあり、いまだ取組は道半ばにあるものと捉えております。  悲惨な交通死亡事故をなくしていくためには、交通事故によって多くの貴い命が失われているという現状に対する危機意識を改めて県民の皆様と強く共有し、交通安全に対する意識の変革を図っていくことが重要であると考えております。  私といたしましては、知事としての任期いっぱい、こうした思いを強く持ち、県民の皆様お一人お一人の心に届くような周知・啓発を行うなど、自ら先頭に立って交通死亡事故抑止対策に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党議員会代表斉藤議員の本県開催の全国大会を契機としたスポーツ振興についての御質問にお答えいたします。  全国高等学校総合体育大会「躍動の青い力 四国総体二〇二二」については、本県では来月二十六日から始まるバスケットボールを皮切りに、九競技十種目が開催されます。このうち登山競技では、善通寺の陸上自衛隊と救護支援等に関する協力協定を結ぶなど、開催市町の実行委員会とともに大会が安全に実施できるよう準備を進めております。  また、新型コロナウイルス感染症対策としては、出場チームの留意事項や感染者等が生じた場合の参加判断基準などをまとめた四県共通の対応方針を策定するとともに、三年ぶりに認められた観客の入場について、県のイベント等の開催に係る留意事項を参考に、各競技や会場の特性を踏まえ、入場者の調整を行ったところです。  コロナ禍における部活動については、県内の感染状況等を踏まえ、活動内容を定めてきたところです。感染警戒対策期に移行した昨日からは県内外での宿泊を伴う活動を可能としたところであり、練習の計画や体調管理等を定めた部活動実施マニュアルを遵守するなど感染症対策を徹底しつつ、部活動を実施してまいります。  四国インターハイや全国中学校体育大会などの開催を契機としたスポーツ振興については、県内のジュニア選手にできる限り会場見学の機会を与えるとともに、各競技の指導者には他県の指導者との交流などを通じてより効果的な指導方法を学んでいただくことで、本県のトップアスリートの育成につなげてまいりたいと考えています。  加えて、生涯スポーツの振興にも一層力を入れることとしており、毎年十一月に開催しております県民スポーツレクリエーション祭については、今年度は初めて国営讃岐まんのう公園と連携・協力して実施することといたしました。これにより、自然と触れ合うことができる広い環境の中で、スポーツやレクリエーション活動を、これまで以上に多くの県民の皆様に親しんでいただけるものと考えています。  県教育委員会といたしましては、まずは四国インターハイの開催に向け、選手の皆様が安心して競技に専念できるよう、感染症対策を含め準備に万全を期すとともに、大会の開催を契機に県民のスポーツに対する関心を一層高め、児童・生徒の競技力向上や生涯スポーツの推進につなげられるよう、関係団体と連携を図りながら取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)自由民主党議員会代表斉藤議員の交通死亡事故の抑止についての御質問にお答えいたします。  昨年の県内における交通事故死者数は前年から大幅に減少しましたが、人口十万人当たりの交通事故死者数は全国ワースト三位と、依然として厳しい状況にあります。こうした状況を改善し、交通死亡事故の減少傾向を維持するためには、議員御指摘のとおり、死者の約六割を占める高齢者に対する事故防止対策や、人口当たりの死者数が全国ワーストである自転車利用者への対策が、極めて重要であると認識しております。  このため、県警察では、これまでのセーフティアドバイザーを深化させた高齢者対策として、今年度から高齢者交通安全ガイドを開始し、過去に交通事故当事者となるなど、交通事故に遭う可能性の高い高齢者に的を絞り、交通手段等に応じたきめ細かな訪問指導を実施するほか、今般施行の改正道路交通法でサポートカー限定免許が新設されたことを踏まえ、サポートカーの利用促進に係る広報啓発を強化して、高齢者の交通事故防止を図ってまいります。  また、自転車利用者への対策につきましては、本年四月一日から県警ホームページ等で公表している自転車指導啓発重点地区・路線を中心に、警察官の警告に従わないなど、悪質・危険な自転車の違反行為に対する取締り活動を一層強化するほか、自転車ヘルメットについては、非着用の場合、着用時に比べて致死率が約三倍にもなることや、改正道路交通法により、来年四月までに全ての自転車利用者に対するヘルメット着用努力義務化の規定が施行されることを踏まえ、関係機関とも連携した自転車ヘルメット着用促進にも努めてまいります。  さらに、本年は、歩行者の犠牲が増加傾向にあるほか、シートベルト非着用による死亡事故も後を絶たないことから、横断歩道は歩行者優先運動を継続し、歩行者事故の防止を図るとともに、シートベルト非着用車両の割合が高い郊外や早朝等におけるシートベルト取締りを強化してまいります。  県警察といたしましては、これまでの課題を踏まえ、関係機関等と緊密に連携し、効果のある対策にはさらに磨きをかけるとともに、新たな施策に全力で取り組むことで、交通死亡事故抑止に努めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)代表による質疑・質問を続行いたします。  かがわ立憲みらい代表木村篤史君。    (木村篤史君登壇、拍手) ◯木村篤史君 ただいまより、かがわ立憲みらいを代表いたしまして、七点にわたり質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします。  まず、規律ある財政運営についてであります。  今月七日、経済財政運営と改革の基本方針二〇二二、いわゆる骨太の方針二〇二二が閣議決定されました。持続的な経済成長に向けて、「新しい資本主義」が掲げられていますが、国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標については、二〇二五年度としてきた達成期限を明示しないなど、財政健全化に関する表現が後退しています。国は、明記していなくても黒字化目標を堅持する姿勢に変化はないと説明していますが、そうであれば達成期限を削除する必要はありません。規律ある財政運営なしに、本当の意味での持続的な経済成長は果たされません。  また、本県の財政運営を見てみますと、先日発表された令和三年度一般会計決算見込みでは、臨時財政対策債を含む県債残高は減少し、財源対策用基金の残高は前年度に比べ増加するとのことであり、一見、財政健全化が図られているように見えます。しかしながら、県民の皆様も、事業者の皆様も、長引くコロナ禍で疲弊しています。苦しんでいます。  このような状況に、さらに国際情勢の緊迫化に伴う原油価格・物価高騰という打撃が襲いかかっています。日本銀行がこの三月に行った生活意識に関するアンケート調査によりますと、物価が上がっているのに収入は増えないばかりか、減っている人も多く、家計の負担は増大していると言わざるを得ません。これは県内でも同じだと思います。  今定例会に、県民生活支援・事業者支援等に関する補正予算議案が提案されたところでありますが、この原油価格・物価高騰は、既に県民生活や地域経済に大きな影響を及ぼしており、県税収入も今後落ち込むのではないでしょうか。今回の補正予算は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などを活用していますが、これだけで県民生活や地域経済を支え切れるとは考えられません。また、新型コロナウイルス感染症の再拡大やさらなる原油価格・物価高騰、さらには予期せぬ災害など、地方自治体は不測の財政需要に備える必要があります。  そういった意味でも、財源対策用基金の確保は重要です。今後、税収が落ち込むかもしれない。今後も不測の事態に備える必要がある。こういったことを考えると、先般の令和三年度一般会計決算見込みをもって財政健全化が図られていると考えるのは早計であり、今後も財政規律を意識した財政運営を行っていく必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。  二つ目に、県民生活の支援についてであります。  先ほども申し上げましたとおり、原油価格高騰や円安進行を背景に、食品価格の上昇に歯止めがかからない状況にあります。報道によりますと、夏場にはさらなる値上げラッシュを迎え、年内の値上げ品目数は一万を超えることが民間調査会社の調べで分かりました。値上げ率は平均で実に一三%に上ると言います。  帝国データバンクが主要食品会社百五社を対象にした調査で、二〇二二年一月一日から五月末の五か月間に累計一万七百八十九品目で年内値上げの計画が判明したとのことであります。このうち四千七百七十品目が五月までに値上げが実施されたほか、今後は六月に千五百品目超、夏場の七月、八月に三千三百品目超、九月以降は千百品目を超える値上げが予定され、十月にはビールや炭酸飲料の値上げが控えているとのことです。  先般の報道によると、これまでの食品値上げの主な要因は、食用油と小麦粉の価格の上昇が理由でした。我が国は食用油を主にカナダ産の菜種油に依存していますが、原料の不作で価格が高騰、小麦粉はロシアに侵略されているウクライナから出荷が途絶えており、全般に価格が上昇しているとのことであります。さらに、対ロシア制裁措置の一環として欧米で原油禁輸の動きが広がり、原油価格が高騰したり、日米の金利差の拡大で円安を招いたりしているとのことです。  帝国データバンクの担当者は食品値上げについて、これまでは主に食用油や小麦の上昇を反映していたが、春先以降の原油高や円安は一時的ではないと分かり、多くの食品企業は新たなコスト増分を小売価格に転嫁せざるを得なくなっているとのこと。原油価格の上昇は輸送費や包装資材費を押し上げるほか、円安は輸入品全般に価格上昇要因となります。このため、値上げは特定品目に限らず、多種多品目にわたり広がりを見せています。四月の全国消費者物価指数は前年同月比二・一%上昇し、約七年ぶりに二%台に乗せた一方で、同月の毎月勤労統計調査によりますと、物価上昇を加味した実質賃金は前年同月比一・二%減少しました。  こうした中、日本銀行の黒田総裁は講演で、「家計の値上げ許容度も高まってきている」などと述べ、ネット上などで波紋を広げています。すぐさま軌道修正含みの弁明をしましたが、日本中の家計と台所に影響する懸念が目の前まで迫ってきています。ある経済アナリストの出した試算では、年収四百万円から五百万円の二人以上の世帯で、去年より年間七万二千円以上家計負担が増えるということですが、これはかなり大きな負担です。  この六月議会では、県民生活事業として国が整備したマイナポイント事業を活用して、取得者に対し五千円分のマイナポイントが県民に与えられ、生活費の運用にも一定の効果が見込まれますが、先述のとおり七万二千円の家計負担を考えますと、二人がマイナポイントを獲得しても、今年に関しては六万円以上の家計負担増となります。県独自の効果的な生活応援支援策はもっとあってしかるべきではないかと思うのであります。例えば、県産食材の無駄のない売りさばきを支援するための農水業生産者や食品製造業者への補助や、消費者が一円でも安く買えるような県のサポート、生活困窮者への支援の上積みや子育て世帯への県産食材消費クーポンなどの発行が考えられます。  このような値上げラッシュが続く、しかも一万種類を超える食品・食材があるのは極めて異例であり、年末年始を越せないという事態にもなりかねません。コロナ禍で切り崩してきた貯金や家計のサポートや、今を必死に暮らしている県民の皆様のサポートをどのように対応していくお考えがあるのか、知事にお尋ねいたします。  三つ目に、地域医療連携についてであります。  香川県地域医療構想は、平成二十八年十月に策定した香川県地域医療構想を引き続き第七次香川県保健医療計画における香川県地域医療構想に位置づけるものであります。  急速な高齢化や人口減少などに伴う疾病構造の変化、医療技術の高度化や専門化、さらには医療費の増加など、保健医療を取り巻く環境は大きく変化しています。また、県民の医療に対する関心は高く、安全で良質な医療サービスの提供が強く求められている中、比較的規模の大きな病院へ患者の集中や軽症患者の時間外診療などに伴い、大規模病院の勤務医を中心として医師の負担感が増加している現状など、必ずしもそれぞれの医療機関が、その機能を効果的に果たせていない面も見られます。  こうした中、県民誰もが、いつでも、どこでも身近な地域で症状に合った適切な医療を、より効率的に受けることができるようにするためには、県民に対して医療機関の治療内容等の機能情報を積極的に提供するとともに、限られた医療資源である病院や診療所、歯科診療所、薬局、さらには介護サービス事業者等が、それぞれの機能の分化を進め、相互に連携していくことが重要であります。  近年、これまで見られてきた患者さんそれぞれのネットワークのほかに、疾病構造や県民の価値観の変化、インターネットの普及などによって県民の生活様式が多様化しており、医療機関への診療等につきましても、自ら医療機関や治療方法を選択したいという意識が高まってきています。このため、県民、患者が、病院、診療所、薬局等の選択を適切に行うことができるよう、医療機関に関する客観的な情報の提供が求められています。  一方で、医療従事者にはインフォームド・コンセント(医師等が医療を提供するに当たり適切な説明を行い、患者が理解し同意すること)の推進やセカンドオピニオンへの対応が求められています。  県民が生涯を通じて心身ともに健康で生活していくためには、重症な病気や負傷の治療はもとより、健康維持・増進や病気の予防・早期発見、治療後リハビリテーションや再発防止など、継続的・包括的な保健医療サービスが必要であり、日常的な診療や健康相談など、いわゆるプライマリーケアを担うかかりつけ医やかかりつけ歯科医等の普及・定着を図ることが重要であります。  平成二十七年度県政世論調査では、七〇・〇%の県民がかかりつけ医を持っていると回答していますが、年齢層などによってその割合には差が見られます。かかりつけ医等によるプライマリーケアが十分機能しないと、適切な治療が受けられなくなるばかりではなく、救急医療機関などの地域の拠点病院に過度な負担を強いるおそれもあり、地域の医療提供体制を確保していく上で、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等の維持が重要であります。  例えば、県立病院では、地域の医療機関と連携・協力し、一般医療機関では対応困難な急性期医療、専門医療にも取り組んでいます。外来や入院による治療が必要な患者様を地域の医療機関から紹介していただき、症状が安定した場合には紹介元の医療機関において引き続き診療をお願いするものであります。単に病気を治療するのではなく、その健康な生活を支援していくことのできる地域の医療機関と連携を密にすることによって、一人でも多くの急性期医療を必要としている患者様に県立病院を利用していただけるようにしています。  地域医療連携は、多くの開業医の皆さんと協力してこの地域の医療をより効率的で充実した体制にするため、そして、治療される患者さんの回復と通常の生活環境に戻れるようサポートしていくのが狙いです。しかし、県民の皆さんからの相談では、紹介していただく病院への風評等に関する不安や、冒頭にもありましたとおり、より治療に専念できる病院に行って治療したいという患者さん並びに御家族の方からの相談もあります。地域医療連携は、相談する場や時間、そして提供と案内できる幅の含みを考えますと、まだ不十分との認識は持たれているのではないかと思います。  そこで、知事にお尋ねしますが、県内の幅広い地域医療連携をどのように進められ、改善していくものはどのような問題があるのか、対策を強化していくものはどのようなことがあるのか、お尋ねいたします。  四点目、学校のコロナ禍における熱中症対策についてであります。  去る六月十七日、百八回目の香川県新型コロナウイルス対策本部会議におきまして、本県の状況について、今後の対応等を確認したとのことであります。この中で、これから熱中症対策、非常に暑いこの夏の子供たちの学校生活、また、自宅での生活を熱中症から守る対策として一つの取決めをしようということで、教育委員会等が旗を振って行っているところであります。児童・生徒に対して、マスクの着用の必要がない場面として、屋外では人との距離が確保できる場合、人との距離が確保できなくても会話をほとんど行わないような場合、また、屋内におきましては人との距離が確保でき、会話をほとんど行わないような場合、特に、熱中症が命に関わる重大な問題であることを認識した上で、学校生活では屋外の運動場に限らず、プールや屋内の体育館等も含めた体育の授業や運動部活動、登下校の際など熱中症リスクが高い面では熱中症対策を優先し、児童・生徒にマスクを外すよう指導するとともに、保護者にも理解・協力を求めると明記されております。要は人との距離二メートル以上が確保できる場合、そして過度な密集がない場合はマスク着用を強要しないというか求めない、そういったルールになっております。これは、厚生労働省と文部科学省の統一した考え方によって県でまとめたものと認識いたしております。  しかしながら、現在、全国的に小・中、高等学校で熱中症が急激に増えております。また、屋外だけでなく、屋内でも比較的涼しい場所での熱中症症状が見られ、マスクをしていない状況でも散見され、複数の児童・生徒さんが病院に運ばれたといった事例が出ております。本来、今までは夏場の期間、適度な給水と適度な休憩を徹底してまいりましたが、マスクの着脱云々だけでなく、体調管理を徹底する、一年を通して一番気をつけなければならない季節であります。  そのような中で改めて教育委員会、教育長にお尋ねしますが、屋内外の部活動並びに高校であれば農業科あるいは工業科等の実習で屋外の非常に照り返しのきついところ、また、屋内でも非常に高温になりやすいところで、コロナ対策あるいは熱中症対策というのは細心の注意を払わなければならないと思います。そこで、どのような時間配分を決めた給水等の休憩の指導をしているのか、また、小・中学校を所管する市町の教育委員会に対してどのような通知をしているのか、お尋ねいたします。
     また、文部科学省は、場面に応じて新型コロナ対策より熱中症対策を優先しています。県内は今のところ頻繁に発生、発症した事案はあまり聞こえませんが、現在から夏休み、そして九月中も含めまして、どのようなコロナ禍における熱中症対策を強化していくのか、併せて教育長にお尋ねいたします。  五点目、投票率向上に向けての取組についてであります。  投票率向上の取組について、選挙管理委員会委員長にお聞きします。  今年度も来月の参議院議員通常選挙をはじめ、県知事選挙、そして県議会議員の補欠選挙あるいは自治体の首長選挙等が控えております。また、参議院議員通常選挙におきましては、我が香川選挙区は史上まれに見る立候補予定者が乱立しているということで、全国的にも注目されています。  しかしながら、投票率向上につなげるためには、選挙は政治を動かす、そして、その政治を動かすのは有権者なのであるという意識を持っていただき、投票をするということがどれだけ大切な権利であるということを、もっと県民の皆様に粘り強く訴えかけていかなければならないと思うものであります。  今、私たちの目下の課題といえば、新型コロナウイルス感染症の対策とこれからの地方経済の回復、そして県民の暮らしの底上げです。その新型コロナウイルス感染症の対応がおのおのの政治手腕の注目となり、昨年十月の衆議院議員総選挙の投票へとつながりました。  公職選挙法では、不在者投票ができる施設に指定された病院に入院中の方は投票ができますが、宿泊療養者、自宅待機者等の皆さんは、療養期間と選挙が重なった場合、外出自粛要請等を受けることから、投票できないおそれがあるとして、その投票機会を確保するため、昨年六月、特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法の特例に関する法律、特例郵便等投票法が施行されました。  この法律は、新型コロナウイルス感染症により自宅や宿泊療養施設等で外出自粛要請を受けた特定患者等の投票が困難である状況を踏まえ、療養先から郵便等を用いて行う投票方法について、公職選挙法の特例を定めたものであります。対象者は、各種選挙での投票用紙の請求時に、外出自粛要請等の期間がその選挙の公示日または告示日の翌日から選挙当日までの期間にかかると見込まれている特定患者等であります。  特例郵便等投票の投票用紙につきましては、市町選挙管理委員会に対し、選挙期日の四日前までに書面で請求する必要があります。投票用紙請求書の郵送等及び記入済みの投票用紙の郵送等の際は、感染防止対策のため、ファスナーつきの透明のケースに封入するなどの措置を講ずるとされています。また、投票用紙を二重に交付する等の不正防止のため、投票用紙の請求を受けた市町選挙管理委員会は、保健所に特定患者等であることの速やかな情報提供を求めるなど、本人確認の徹底を図るとともに、特例郵便投票の送致を受けた場合には、投票所の責任者である投票管理者と、開票所の責任者である開票管理者が二重にチェックするとしています。  投票する流れとしましては、宿泊療養施設で投票するには、まず療養されている方が投票用紙請求書を入手することが必要でありますが、これについては市町選挙管理委員会に対して連絡します。次に、投票用紙請求書に必要事項を記入の上、宿泊療養施設の事務従事者に郵送等を依頼し、投票用紙を取り寄せます。投票用紙が届きましたら、候補者名や政党名等の必要事項を記入し、所定の封筒に封入の上、再度事務従事者に郵送等を依頼することで投票が終わります。  そこで、まず、選挙管理委員会委員長にお尋ねしますが、昨年六月の法施行後に行われた県内の選挙でどの程度利用されたのか、また、該当するであろう自宅療養者に対して説明されてきたのか、そして、特例郵便等投票を行った利用者が少ない実態を踏まえ、本県では、次期参議院議員通常選挙では、どのように新制度を周知し、取り組んでいくのか、お尋ねいたします。  考えられる対策としては、宿泊療養施設における療養者に対しては、療養されている各部屋に制度について記載したチラシを備え付けるとか、療養者が訪れる弁当の配膳場所にポスターを提示するとか、県ホームページの掲載や選挙公報、県の公式SNSの広報周知が考えられますが、お答えください。  また、一昔前ならこんなことを言われていました。主婦層ならスーパーマーケットや百貨店、御主人なら喫茶店やホームセンター、若い衆はコンビニ。そういった若い方をはじめ多くの人が集まる場所に期日前投票所を設けました。今や、駅や大型スーパーなどでも期日前投票所を設ける時代ですが、昔に比べると投票できる期間も長くなりましたし、広報媒体の幅も多様になってきました。しかし、こと若年層の投票率向上の案といいますと、なかなか頭を悩ませている状況ではないでしょうか。  投票所に足を運ぶコストや、投票に向けた選挙情報収集のためのコストであります。ポスター掲示上のQRコードをスマートフォンに読み込ませて候補者情報等を入手できる市町もありますけれども、ネット選挙といいましても、いざ検索すれば膨大な情報が羅列され、たまにネガティブキャンペーンも入ったりして、正確な情報が伝わらない懸念もあります。費用の面と人員配置の面とスペース確保の面は考慮すべきでありますが、近い将来コンビニ投票が解禁され、簡単に候補者情報や政党等の情報が提供できるようになれば、投票する側、特に若者が候補者情報等を安易に得られる環境になるのではないかと思います。  若者の投票率向上策についても同じく選挙管理委員会委員長にお尋ねいたしますが、どのような対策を講じていくのか、お答え願います。  六点目、令和ならではの交通安全対策についてであります。  令和三年の県下の交通事故情勢につきましては、発生件数、死者数、負傷者数とも前の年を大きく下回り、特に死者数は七十二年ぶりに三十人台となる三十七人で、統計資料が残る昭和二十三年以降二番目に少ない数字を記録することができました。一方で、人口十万人当たりの死者数は全国ワースト三位で、死者数に占める高齢者の割合が約六割と高いことなど、依然として厳しい状況であります。  こうした様々な状況や課題を克服するため、また、新型コロナウイルス感染症により暮らしの環境や交通事情が変容を続ける社会情勢に対応すべく、県警察本部としても県内県土全域の交通安全対策に向けた取組を行っていると伺っております。そして、我々県民も、しっかりとした交通安全知識とマナー、また、急がず焦らずハンドルを握る、交差点を渡る、そういったことをしっかり行っていこうと再認識するところであります。  ところで、最近では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、おうち御飯が増えてきて、自転車・二輪車等を利用した飲食デリバリーが非常に増え、飲食以外の宅配も増えたとお聞きいたしております。飲食デリバリーの収入は一件当たりの歩合制で、一件でも多く配達すれば当然収入も増えるということで、注文が集中する時間帯や配達の時間の余裕がないときに無理な運転をするケースも多いと聞いており、車や自転車や歩行者との接触事故につながる危険性が懸念されます。  また、自転車の運転に関しましては、スマホ操作をしながらの片手ハンドル運転や傘を持っての片手運転、このような違反行為によって歩行者との接触が懸念されるところであります。  ドライバーの皆様に関しましても、黄信号での停止を怠り、急加速して信号無視につながることや、スピードの出し過ぎ、また、雨天時の速度超過や急発進、車間距離を近づける、いわゆるあおり運転などの悪質な運転もあるとお聞きいたしております。  そのような中で、県警察本部といたしましては、多くの地点で交通安全啓発、あるいは取締り強化を行っているところであります。一方で、道路を利用する歩行者やドライバーの皆さんが安心して通行できるよう、横断歩道や停止線の管理、止まれや踏切箇所を示す規制標識の管理は、最低限行わねばならないものだと思います。  補足になりますが、今年配布された「さぬきの安全二〇二二年」のパンフレットを見てみますと、交通死亡事故対策で様々な取組をしている中で、その写真が横断歩道のラインが消えていたり、停止線のラインが消えていたりと、もっと安全対策をアピールするにふさわしい写真を入れたほうがよかったのではないかと申し添えます。  香川県交通安全県民会議による令和四年度交通安全対策推進重点の冊子にも明記されていますとおり、基本的推進重点項目といたしまして、交通事故の起きにくい道路交通環境の整備とされています。これには、ドライバーの皆さんや歩行者の皆さんらが安心して道路を利用するために、標示等の管理メンテナンスを徹底することではないでしょうか。交通事故防止の対策強化も当然さることながら、規制標識や停止線などの規制標示を適切に管理し、道路を利用される県民の皆様にとりまして安全な状況をつくるというのも警察の役割ではないかと思います。  改めてお尋ねいたしますが、多種多様化する自転車・歩行者・車との関係に応じた適切な交通安全対策の推進と、規制標識や規制標示を適切に管理するための体制につきまして、警察本部長の見解をお尋ねいたします。  最後に、残された県政の課題についてであります。  代表質問最後になりますけれども、浜田知事におかれましては、十二年前の夏、記録的な猛暑の中で知事選挙が行われ、そして、多数の支持を得て知事に就任されました。何度も知事が答弁されたとおり、着々寸進、洋々万里の気概を持たれて、正面から挑み続けたその姿勢に心から敬意を表します。  乳幼児医療費の無料化、県独自の奨学金制度の創設、新規国際線の誘致、瀬戸内国際芸術祭の開催、県産品のトップセールス、「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクト、全国初の県内一水道に向けた企業団設立、コロナ禍の対応やコロナ禍によって冷え切った地元経済の立て直しなど、浜田知事の功績は枚挙にいとまがないところであります。  その一方で、さきの二月定例会で、知事が「諸先輩から引き継ぎ、全速力で走り続けたこの十一年余」とおっしゃったとおり、県民の生活を支え、発展へと導く県政運営には継続性が求められ、課題も引き継がれていきます。  例えば、香川用水の整備は、古来より悩まされてきた干ばつによる水不足の解消に大きな効果があったものの、平成六年の大渇水の際に、香川用水への過度の依存が県民生活、経済活動に大きな影響を与えました。その結果、独自水源の確保の重要性が高まり、宝山湖や椛川ダムの建設などにつながりましたが、渇水が、今なお本県の大きな課題であることは御承知のとおりです。  また、三大プロジェクトと称された瀬戸大橋、新高松空港、四国横断自動車道の関連対策事業や、サンポート高松地区の再開発事業等のインフラ整備は、本県が四国の中枢拠点として発展するために大きな役割を果たしてきましたが、財政悪化を招き、その後のいわゆる三位一体改革によって、本県財政は大きな危機を迎えることになりました。  さらに、海砂採取、豊島廃棄物不法投棄といった環境問題や、少子高齢化・人口減少問題、本格的なグローバル化による国際競争の激化など、これらも過去から引き継がれた課題であり、現在の課題であり、そして将来の課題でもあります。  そのほか、東日本大震災をはじめとする大規模地震や豪雨災害、鳥インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の発生、南海トラフ地震発生の高まりなど、浜田知事就任後に顕在化した、問題化した課題もあります。  つきましては、財務省出身の知事として、地域活性化と財政健全化の両立に意を用いて県政運営されてきた知事にとりまして、残された僅かな任期の中での県政運営は何か、取り組んでいきたい優先課題は何かというのをお伺いします。  また、知事は、魅力ある県立高校推進ビジョンで東讃地区の高校再編に関しまして、志度・津田・石田各高等学校の歴史や伝統あるいは地域の拠点的役割、さらには三校の特色ある科目等の状況を鑑みて、そしてJR高徳線と琴電駅のアクセスから近いことを考慮して、統合後はさぬき市造田地区が望ましいのではないかという発言がありました。これからさぬき市造田地域の住民の皆さんをはじめ、広くさぬき市民に説明をされていくとの教育長の答弁がありました。  一方で、高校再編で地域の拠点が少なくなることを危惧して、僅か一か月余りで署名が集まった二万五百二十七筆の思いは、地元三校の歴史ある学校の拠点を残してほしい、あるいは地域の拠点的役割を持っている高校を残してほしいということから、キャンパス方式も含めた多数の署名が県内外の三校のOBを中心として集まりました。  今後どのように進められていくのか、そして新設の設置の考え方と、石田高校の件については述べられましたが、志度高校や津田高校はどう活用されていくのか、改めましてお尋ねいたしまして、かがわ立憲みらいの代表質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)かがわ立憲みらい代表木村議員の御質問にお答えいたします。  大変過分なお言葉をいただき恐縮しておりますが、まず、今後の財政運営についてであります。  令和三年度一般会計の決算見込みにおきましては、国の交付金等を活用して、感染拡大防止対策や社会経済活動の維持・回復に向けた新型コロナウイルス感染症対策に積極的に取り組みつつ、新たな財政運営指針に沿った財政健全化対策を講じながら、将来に過度の財政負担を残さない持続可能な財政運営を進めた結果、臨時財政対策債を含む県債残高は三年連続して減少し、財源対策用基金の残高は二年連続して増加することとなりました。  一方で、足元の新型コロナウイルス感染症の影響に加え、コロナ禍における原油価格・物価高騰の影響が県内経済や県民生活等に大きく及んでいることなどから、今定例会に県民生活支援事業や事業者を応援する総合補助金等の補正予算を御提案しているところでありますけれども、今後の社会経済情勢の変化によっては税収等への影響も懸念されることから、その動向を十分注視していく必要があると考えております。  加えて、累増する社会保障関係経費や金利上昇による公債費の増加にも留意しつつ、本県の将来の発展に資する施策に加え、災害等の不測の財政需要にも備える必要があり、本県財政の見通しは不透明な状況にあります。  こうした状況を踏まえ、今後とも新たな財政運営指針に沿って、その目標の一つに掲げる財源対策用基金の取崩しを可能な限り抑制するとの目標の達成に向けて取り組むとともに、事業の見直しや予算執行段階での経費の節減、事務の効率化など、財政健全化に向けた取組は引き続き進める必要があると考えております。  また、議員御指摘の財政規律を意識した財政運営を行っていくためには、まずは、国の交付金等を活用しながら、足元の新型コロナウイルス感染症対策や原油価格・物価高騰対策に万全を期すとともに、今後の財政状況や国の地方財政措置の動向を十分注視し、毎年度、新たな財政運営指針の見直しを行う中で、引き続きあらゆる歳入確保策や歳出抑制策に取り組み、次世代への責任の視点に立って、将来に過度の財政負担を残さない計画的で持続可能な財政運営を進めていくことが重要であると考えております。  次は、県民生活の支援についてであります。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の社会経済への深刻な影響が二年余りにわたって及ぶ中、原油をはじめとするエネルギー価格や食料品価格等の物価の上昇が重なり、現在、県民の皆様や事業者の方々に様々な困難が生じていると認識しております。  このため、今般、経済・雇用対策本部会議において、新型コロナ感染症対策及びコロナ禍における原油価格・物価高騰対策を決定し、補正予算議案を今定例会に御提案したところであり、その編成に当たりましては、新型コロナウイルス感染症対策に加え、現下の県内経済の情勢や物価高騰等の影響により厳しさを増す県民生活の状況等を踏まえ、国の交付金を活用し、可能な限り大胆かつ幅広く、地域の持続的な発展にも資する対策を講ずる必要があるものと考え、県民の皆様への当面の生活支援に重点的に取り組むとともに、県民生活の安定化を図る上で必要となる雇用の維持や事業の継続、地域経済の回復・活性化についても総合的に対策を講じることといたしました。  具体的には、本県独自のマイナポイントを付与する県民生活支援事業や生活に困窮する方への相談支援体制の強化、独り親世帯への生活支援特別給付金の支給などによる県民の皆様への生活支援に三十億円余を、国の雇用調整助成金等への県独自の上乗せ支援や制度融資メニューの創設による資金繰り支援などの雇用の維持・事業の継続支援に一億円余を、省エネやコスト削減、生産性向上等に積極的に取り組み、物価高騰等を乗り越える事業者を応援する総合補助金や国産小麦の安定供給体制等を促進する緊急対策、配合飼料価格高騰の影響を受けた畜産農家への緊急支援、燃料高騰により経営環境が著しく厳しい公共交通事業者等への支援など、地域経済の回復・活性化に二十五億円余をそれぞれ計上し、感染拡大防止対策等と併せて総額六十四億円余を計上したところであります。  今回のこうした補正予算議案について御議決いただければ、まずは、その早期執行に努め、これらの対策の効果が一日も早く発現できるよう努めてまいりたいと考えておりますが、今後も引き続き県民の皆様や事業者の方々の御意見等も丁寧にお聴きしながら県内経済の状況等の的確な把握に努め、必要に応じて効果的な対応について検討してまいりたいと考えております。  次に、地域医療連携についてであります。  良質かつ適切な医療を持続可能な形で効率的に提供する体制を確保するためには、議員御指摘のとおり、限られた医療資源の中で、機能分化を進め、それぞれが相互に連携していくことが重要であり、県では第七次保健医療計画において、県民本位の医療連携体制の構築として取組を進めております。  具体的には、県民の皆様の適切なかかりつけ医などの選択や医療連携に関する情報の取得を支援するため、ホームページ上で医療機関の各種機能情報を提供しているほか、地域の医療連携の中心を担う病院を県が地域医療支援病院として承認し、かかりつけ医などからの紹介患者に対する医療の提供や医療機器の共同利用など、地域の医療機関相互の役割分担と連携を推進しております。  地域医療支援病院の一つである県立中央病院では、かかりつけ医などからの紹介患者の受入れや逆紹介、高度医療機器であるPET─CT(陽電子放射断層撮影CT)や胸部CTの共同利用のほか、かかりつけ医等を対象とした医療セミナーの開催や、広報誌「れんけい」の発行を通じた医療情報の提供など、地域の医療機関との連携強化に取り組んでおります。  一方、県では、香川県地域医療構想に基づく医療機能の分化と連携を進めておりますが、急性期医療機関からの受皿となる回復期病床が十分でないことから、医療機関の自主的な取組を通じて、回復期機能の充実に向けた病床転換や設備整備等への支援をより一層推進してまいりたいと考えております。また、全国に先駆け、全県的に取り組んできた医療情報ネットワーク、いわゆるK─MIXを活用した県内医療機関の連携や機能分担にも積極的に取り組んでまいります。  現在、国におきましては、令和六年度からの第八次医療計画について検討が進められているところであり、今後とも国の動向を注視しながら、県民の皆様のための医療連携体制の構築を踏まえた次期保健医療計画の策定について検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、残る任期の中での県政の課題についてであります。  私は、これまで三期約十二年の間、先人のたゆみない努力と情熱によって築かれた県政の礎を引き継ぎ、さらに発展させることにより、せとうち田園都市を創造するという理念の下、「信頼・安心」、「成長・元気」、「笑顔」を旗印として、郷土香川の飛躍を目指し、県議会の御理解を賜りながら様々な施策に取り組んでまいりました。  こうした中、今後、中長期的に取り組まなければならない課題や、社会情勢の変化に伴い生ずる新たな課題などが山積しておりますが、とりわけ、今定例会の開会日にも私から御報告いたしました新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、香川用水の取水制限に伴う渇水対策や瀬戸内国際芸術祭二〇二二の夏会期に向けた準備などにつきましては、差し迫った事柄であり、お尋ねの残る任期の中での県政の課題として対応に万全を期してまいりたいと考えております。  まず、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、対策期の移行基準を見直し、昨日から対策期を感染警戒対策期に移行しておりますが、引き続きワクチン接種の促進や無料検査の実施等により感染拡大防止に取り組むとともに、今定例会に御提案しております関係補正予算議案の御議決をいただきましたら、速やかな執行に努めるなど、社会経済の回復に向け、全力で取り組んでまいります。  香川用水の取水制限に伴う渇水対策につきましては、渇水が長期化することも視野に入れ、迅速な情報収集や関係機関との緊密な連携に努めるとともに、第三次取水制限に合わせ香川県渇水対策本部を設置し、各市町や関係団体に対する対策強化の要請を行うほか、宝山湖からの取水を開始することに加え、昨年竣工し、現在試験湛水中である椛川ダムの渇水対策容量を緊急時対応として活用することなどにより、県民生活や産業活動への影響を最小限にとどめられるよう、危機感を持って取り組んでまいります。  また、瀬戸内国際芸術祭二〇二二につきましては、八月五日からの夏会期が安全かつ円滑に開催できるよう、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策も含めて春会期の状況を改めて確認し、地元市町や関係機関と緊密に連携しながら万全な準備に努めてまいります。  このほか、いつ発生してもおかしくない南海トラフ地震などの災害への対応や交通死亡事故の発生抑止など、県民の皆様の命と財産を守るための取組についても力を尽くしてまいりたいと存じます。  また、東讃地域に新たに整備する統合高校につきましては、今後、教育委員会において、さぬき市の御協力もいただきながら、関係する皆様方に丁寧に説明を行ってまいります。  統合後の各既存校の土地や施設につきましては、地域の活性化を図る観点からも有効に活用する必要があることから、教育委員会におきまして、さぬき市との連携の下、地元の方々の御意見もお伺いしながら、その活用方策について検討してまいりたいと考えております。今後とも、新たに整備する高校が、東讃地域の新しい統合高校のグランドデザインに示した「夢をかなえ、地域を支え、未来に羽ばたく」人材を育成できるよう、また、地域の方々に愛され、期待される魅力あふれる学校となるよう取り組んでまいります。  私といたしましては、残る任期いっぱい、県政は県民の皆様のためにあるということを改めて肝に銘じ、県政の諸課題に対して、立ち止まることなく全力で取り組み、新しい知事に円滑にたすきをつないでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)かがわ立憲みらい代表木村議員の学校のコロナ禍における熱中症対策についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、児童・生徒が熱中症により救急搬送される事案が全国で報告されており、これから熱中症のリスクが高まる季節を迎える中、学校での新型コロナウイルス感染症対策を行いながらの熱中症対策は、重要な課題であると認識しております。  このため、県教育委員会では、先月、公立学校と市町の教育委員会に対し、熱中症事故の防止のための通知を行い、この中で、適切な水分補給や熱中症の疑いが見られた場合の適切な処置、活動場所での空調設備の有無に合わせた活動内容の設定のほか、熱中症などの健康被害が発生するおそれが高いと判断される場合はマスクを外すよう対応すること、さらには、県教育センターのオンライン研修サイトに掲載した「教職員としての熱中症対策」を受講することを求めたところです。  部活動時の休憩については、部活動の活動方針である香川県部活動ガイドラインに、活動中とその前後も小まめに水分や塩分を補給し、休憩を取るとともに、生徒への健康観察も徹底するほか、特に活動に不慣れな下級生の活動には十分留意するよう定められており、各学校において実践しているところです。  また、県立高校の専門学科の実習においては、その日の温度や湿度、実習場所の環境や作業内容等に応じて、一こま五十分の授業中にも適宜休憩を入れながら給水を行う、作業中はマスクを外す、工場用扇風機を使用するなどの対策を図ることとしております。  今後は、教職員が熱中症対策を実践できるよう、学校の危機管理マニュアルに熱中症対策を必ず盛り込むことや、オンライン研修「教職員としての熱中症対策」を全教職員が受講することについて各学校に求めるとともに、児童・生徒や保護者に対しては、夏休みの期間を含め、熱中症のリスクが高い場面ではマスクを外すことや、水分補給を小まめに行うなどの留意事項を改めて周知したいと考えております。  県教育委員会といたしましては、学校における感染症予防対策ガイドライン等に基づき、感染状況に応じた感染症対策を行いながら、命に関わる危険がある熱中症の事故防止についても、市町教育委員会と連携して強化を図ってまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)今井警察本部長。    (警察本部長今井宗雄君登壇) ◯警察本部長(今井宗雄君)かがわ立憲みらい代表木村議員の交通安全対策についての御質問にお答えいたします。  まず、交通安全対策の推進については、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の変化や行動制限の緩和措置に伴う人流の増加により、自転車や二輪車を利用した飲食物のデリバリー事業者等による交通違反や事故の増加、あおり運転等の妨害運転や飲酒運転、信号無視等、一部の悪質運転者による重大事故も懸念されます。また、本県では、人口十万人当たりの死者数や自転車事故の死者数がワースト上位であるため、これら課題への的確な取組が重要であると認識しております。  このため、県警察では、交通事故に直結する信号無視などの取締りはもとより、関係機関・団体と連携した交通安全教育及び広報啓発活動を強化しているほか、自転車利用者に対しては、自転車指導啓発重点地区・路線を中心とした取締りや広報啓発活動をより一層強化しております。さらに、妨害運転や飲酒運転等の悪質・危険な違反には、飲酒運転根絶BOXの活用や繁華街での飲酒検問、航空隊のヘリコプターと連携したあおり運転等の妨害運転の取締りなど、あらゆる手段を駆使した対策に努めております。  次に、交通規制の標識及び標示の管理についてであります。  横断歩道等の交通規制に関する標識と標示については、交通事故を抑止する観点から、公安委員会によって必要な箇所や区間に対し整備しています。議員御指摘の規制標識や標示の適切な管理につきましては、それぞれ整備状況等をシステムで管理するほか、警察職員による定期的な点検・確認や日常の警察活動を通じた点検・確認を実施しているところであります。これにより、県警察では、規制標識については、経年劣化の状況に応じて更新整備しているほか、規制標示については、その摩耗状況や交通量等の交通環境に応じて、必要な箇所に優先順位をつけて更新整備を進めております。  いずれにいたしましても、県警察といたしましては、総合的な交通安全対策と、適切な規制標識や標示の管理等により、交通死亡事故抑止に努めてまいります。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)藤本選挙管理委員会委員長。    (選挙管理委員会委員長藤本邦人君登壇) ◯選挙管理委員会委員長(藤本邦人君)かがわ立憲みらい代表木村議員の投票率向上に向けた取組についての御質問にお答えいたします。  特例郵便等投票制度は、新型コロナウイルス感染症で宿泊・自宅療養等をされている方のうち、一定の要件に該当する方について、郵便による投票が可能な制度であります。  昨年執行されました衆議院議員総選挙において、県選挙管理委員会では特設ホームページや駅や大型店舗などに掲示するポスター、SNSを通じて広く一般有権者に対して周知を行ったほか、自宅療養者や宿泊療養者に対してはチラシを配布するなど、制度周知に努めたところであります。さらに、宿泊療養施設内に、投票用紙を請求するために必要な請求書や封筒、透明ケース等のセットを備え置くなど、宿泊療養者の方々が円滑に特例郵便等投票の手続ができるよう、施設の事務従事者等と連携して対応を行ったところであります。結果として、昨年の衆議院議員総選挙における本県での特例郵便等投票による投票は一件でした。  また、市町選挙管理委員会においても、市町内の有権者に対して制度周知を図ったと聞いており、これまでのところ、市町選挙における特例郵便等投票による投票は二件あったと聞いております。  今回の参議院議員通常選挙におきましては、昨年の衆議院議員総選挙を踏襲した対応に加え、県のホームページに設けられた療養者向けのサイトに制度の内容を掲載することで制度周知を図ってまいります。  若年層への投票率向上策につきましては、これまで県選挙管理委員会では、高等学校等での出前授業や大学での選挙講義、民間企業の若手社員や市町の若手職員を対象とした選挙啓発リーダー養成研修などを通じた選挙啓発を行っております。  また、今回の参議院議員通常選挙に向けての取組といたしましては、インターネットやSNS、各種広告媒体を利用した情報発信に加え、「明日の日本に望むこと」をテーマとした県内の大学生のインタビューの様子を用いたPR動画を作成し、若年層に対して説得力のある啓発を展開していくこととしております。  県選挙管理委員会といたしましては、日頃の啓発事業に加え、こうしたPR動画等を十分に活用し、若年層に対して、より効果的な選挙啓発を積極的に実施することで、投票率の向上につなげてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(高城宗幸君)理事者の答弁は終わりました。  代表による質疑・質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)議案及び陳情を、お手元に配付の委員会付託一覧表及び請願陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ─────────────────────────────
    ◯議長(高城宗幸君)お諮りいたします。  委員会審査等のため、六月二十二日から六月二十四日まで、六月二十七日から七月一日まで及び七月四日の九日間を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(高城宗幸君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(高城宗幸君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、七月五日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                            午後三時九分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....